治部煮モドキ

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せめて九谷の器を使ってみたい

8月までの約4カ月半ほど、週2回ほどの在宅勤務を続けていた(現在は解除)。

緊急事態宣言解除までの約1カ月半、週末のスーパーは一家総出の買い物客で通常以上に混雑していたので、買い物は週2回、平日の昼休みにメモを見ながらそそくさと走り買いで済ませた。

 

買い忘れ防止のため、ノートに3,4日分の献立と買い物メモをつけてから出かけていたが、気がついたら何十ページもの料理日記になっていた。料理を休んでいたのは入院に係る一連の三週間ほど。それでも退院の3日後には出来合いの総菜の味つけが濃く感じられて、夫に食材を買ってもらいスープくらいは作っていた。

緊急事態宣言から4か月後には早くも『コロナ禍日記』(タバブックス)が書店に並んでいたが、私の料理日記も感染防止のための行動様式の変更がきっかけになり、外食に行けないストレスをレパートリーの開拓で昇華していたという意味では、コロナ禍の生活を反映しているといえるだろう。

 

写真は給料日前のエコ料理「治部煮モドキ」。

いわずと知れた金沢の郷土料理だけど、鴨肉ではなくて鶏むね肉で代用。パサつかないように片栗粉をしっかりまぶして、酒、みりん、しょうゆ、三温糖、和風だし(あごだしを使用)の合わせ調味料で煮るだけ。

 

数年前まで毎年のように冬の金沢を訪れていた私からすると、鴨と鶏(それもむね肉)の違いは歴然で、煮汁の味つけも金沢のそれはこってりと甘かった記憶がある。

都内の一般家庭で本格的な治部煮を作るには、鴨鍋用の肉をお取り寄せするしかないけれど、金沢の一般家庭では鴨を使っているのだろうか?

 

ただ、「加賀料理」を引き合いに出さなければ、家庭料理として充分おいしく味わえる一品で、夫はヘルシーでおいしいと喜んでいた。何よりお財布にやさしい(笑)。

 

こうした「〇〇料理モドキ」は、マンネリになりがちな食卓に彩りを添えてくれるので、一部食材の置き換えなどで工夫しながら続けていきたい。