十月 五雲会
能「呉服」
シテ 小倉 健太郎
ツレ 高橋 憲正
ワキ 大日方 寛
ワキヅレ 梅村 昌功 高井 松男
間 石田 幸雄
笛 小野寺 竜一
小鼓 古賀 裕己
大鼓 原岡 一之
太鼓 小寺 真佐人
地頭 寺井 良雄
後見 田崎 隆三
シテ 小倉 健太郎
ツレ 高橋 憲正
ワキ 大日方 寛
ワキヅレ 梅村 昌功 高井 松男
間 石田 幸雄
笛 小野寺 竜一
小鼓 古賀 裕己
大鼓 原岡 一之
太鼓 小寺 真佐人
地頭 寺井 良雄
後見 田崎 隆三
能「大仏供養」
シテ 東川 尚史
子方 植島 幹登
母 佐野 玄宜
立衆 藪 克徳 内藤 飛能 金森 隆晋 金野 泰大
ワキ 舘田 善博
間 高野 和憲
笛 藤田 太郎
小鼓 住駒 俊介
大鼓 柿原 光博
地頭 大坪 喜美雄
後見 宝生 和英
シテ 東川 尚史
子方 植島 幹登
母 佐野 玄宜
立衆 藪 克徳 内藤 飛能 金森 隆晋 金野 泰大
ワキ 舘田 善博
間 高野 和憲
笛 藤田 太郎
小鼓 住駒 俊介
大鼓 柿原 光博
地頭 大坪 喜美雄
後見 宝生 和英
能「六浦」
シテ 佐野 登
ワキ 高井 松男
ワキヅレ 梅村 昌功 大日方 寛
間 深田 博治
笛 藤田 朝太郎
小鼓 幸 信吾
大鼓 高野 彰
太鼓 金春 國和
地頭 高橋 章
後見 近藤 乾之助
シテ 佐野 登
ワキ 高井 松男
ワキヅレ 梅村 昌功 大日方 寛
間 深田 博治
笛 藤田 朝太郎
小鼓 幸 信吾
大鼓 高野 彰
太鼓 金春 國和
地頭 高橋 章
後見 近藤 乾之助
能「大会」
シテ 小林 晋也
ツレ 冨山 淳司
ワキ 安田 登
間 竹山 悠樹
笛 寺井 宏明
小鼓 森澤 勇司
大鼓 内田 輝幸
太鼓 大川 典良
地頭 亀井 保雄
後見 小林 与志郎
シテ 小林 晋也
ツレ 冨山 淳司
ワキ 安田 登
間 竹山 悠樹
笛 寺井 宏明
小鼓 森澤 勇司
大鼓 内田 輝幸
太鼓 大川 典良
地頭 亀井 保雄
後見 小林 与志郎
(「因幡堂」「竹生嶋参」「大会」はパスしました)
「呉服」
この時は間違って冷房でもかけたのか、シルクのカットソーを通して冷風が吹き込むほどで
前場は寒くて眠くて機織の由来どころではありませんでした(_ _;) ←冬眠?)
ツレはいかにも若手らしい、すっきりと清潔で可憐な感じの美女でした。
シテはツレより、ややオネエサマな面で落ち着いた感じ。
今年の前半、毎月のように立て続けに観た宝生の天女は可憐系が多かったのですが、
今日は面のせいかシテのキャラなのか、さっぱりクール系の天女、という印象でした。
舞衣は薄いスモーキーな葡萄色の地に、金の唐草文様がびっしり箔押しされた
エキゾチックかつ大人っぽいもので、シテの雰囲気に合ってたと思います。
この時は間違って冷房でもかけたのか、シルクのカットソーを通して冷風が吹き込むほどで
前場は寒くて眠くて機織の由来どころではありませんでした(_ _;) ←冬眠?)
ツレはいかにも若手らしい、すっきりと清潔で可憐な感じの美女でした。
シテはツレより、ややオネエサマな面で落ち着いた感じ。
今年の前半、毎月のように立て続けに観た宝生の天女は可憐系が多かったのですが、
今日は面のせいかシテのキャラなのか、さっぱりクール系の天女、という印象でした。
舞衣は薄いスモーキーな葡萄色の地に、金の唐草文様がびっしり箔押しされた
エキゾチックかつ大人っぽいもので、シテの雰囲気に合ってたと思います。
「大仏供養」
こういう曲が二番目に来るのは、長い本脇能でややダレてきた空気をシャキッとさせるため?
・・・と思うほど場面転換にメリハリのある、スピーディーで面白い舞台でした。
前場でシテと小鼓が気合入ってます!という感じで、声をすごく張っていて
咽喉だいじょうぶかなー・・・と気になって聴いてました。
シテとツレの掛け合いは別れの場面が印象的でした。
母子の再会もつかの間、頼朝暗殺に向かう景清と母の(おそらく)最後の別れは、
万感の思いと二人を隔てる距離が、シテの笠を持つ手やツレの背中に表れていたと思います。
こういう曲が二番目に来るのは、長い本脇能でややダレてきた空気をシャキッとさせるため?
・・・と思うほど場面転換にメリハリのある、スピーディーで面白い舞台でした。
前場でシテと小鼓が気合入ってます!という感じで、声をすごく張っていて
咽喉だいじょうぶかなー・・・と気になって聴いてました。
シテとツレの掛け合いは別れの場面が印象的でした。
母子の再会もつかの間、頼朝暗殺に向かう景清と母の(おそらく)最後の別れは、
万感の思いと二人を隔てる距離が、シテの笠を持つ手やツレの背中に表れていたと思います。
この曲は空間&時間処理の巧みさがユニークで、
たとえば 前場で母が退場してから間髪おかずに間狂言が登場するのですが
その間、小鼓がずーっと一定のリズムで打ち続けているんですね。
鼓で、母子の別れから大仏供養の日までの時間の経過を表してるのかな~と思いました。
(追記:あれは早鼓(現在物で戦が控えているような場面等で演奏される)だそうです。
なるほど彼が張り切ってたワケですね♪)
たとえば 前場で母が退場してから間髪おかずに間狂言が登場するのですが
その間、小鼓がずーっと一定のリズムで打ち続けているんですね。
鼓で、母子の別れから大仏供養の日までの時間の経過を表してるのかな~と思いました。
(追記:あれは早鼓(現在物で戦が控えているような場面等で演奏される)だそうです。
なるほど彼が張り切ってたワケですね♪)
後場、長身の若手が居並ぶチャンバラの場面では総勢20名!舞台が狭い~。
そのうちガタイのいい能楽師だらけになって、能舞台のサイズが変わる時代が来るかも・・・。
ところで、シテが自分を「悪」七兵衛景清、って名乗るのはどうなんでしょうか?
この「通称」って、あくまで源氏側の視点じゃないのかなあ。
頼朝だって二十年くらい前(?)は、景清の立場だったんだから、
まさに「因果(輪廻)は車の輪の如く」ですね。
(追記&訂正:ここでいう「悪」は、「憎々しいほど強い」って意味だそうです。
それなら自ら名乗りを上げるはずですよね。あぁ日本語って奥が深い・・・)
そのうちガタイのいい能楽師だらけになって、能舞台のサイズが変わる時代が来るかも・・・。
ところで、シテが自分を「悪」七兵衛景清、って名乗るのはどうなんでしょうか?
この「通称」って、あくまで源氏側の視点じゃないのかなあ。
頼朝だって二十年くらい前(?)は、景清の立場だったんだから、
まさに「因果(輪廻)は車の輪の如く」ですね。
(追記&訂正:ここでいう「悪」は、「憎々しいほど強い」って意味だそうです。
それなら自ら名乗りを上げるはずですよね。あぁ日本語って奥が深い・・・)
「六浦」
紅葉の季節に、一本(ひともと)だけ青をとどめた楓がこの曲の主人公です。
今日の(私が観た)舞台の中では、いちばん秋らしく優雅な舞台でした。
60代以上のベテランもいいけど、佐野登さんくらいの世代の方々の舞台、私は好き。
六浦も情緒纏綿たる雰囲気の中にも安定感があって、心身ともに充実した舞台でした。
佐野さんの謡はまろやかで味わいのある響きなので、仕舞でこの方が地謡につく時なんか
いつもいいなあ~と思って聴いていたんです。
楓の精の装束は、緑をおびた生成り色(?)の地に秋草(?)の文様を箔押しした長絹に、
袴は葡萄色(露と同色です)、摺箔は長絹の文様と同じ色合いの黄金色。
袴にしろ摺箔にしろ、長絹で使われている色とそろえることで「つなぎ感」というか、
洗練された感じが出ますね。シテの成熟した雰囲気によく似合っていました。
特に袖をひるがえす型が本当に美しくて、ため息が出そう・・・。
紅葉の季節に、一本(ひともと)だけ青をとどめた楓がこの曲の主人公です。
今日の(私が観た)舞台の中では、いちばん秋らしく優雅な舞台でした。
60代以上のベテランもいいけど、佐野登さんくらいの世代の方々の舞台、私は好き。
六浦も情緒纏綿たる雰囲気の中にも安定感があって、心身ともに充実した舞台でした。
佐野さんの謡はまろやかで味わいのある響きなので、仕舞でこの方が地謡につく時なんか
いつもいいなあ~と思って聴いていたんです。
楓の精の装束は、緑をおびた生成り色(?)の地に秋草(?)の文様を箔押しした長絹に、
袴は葡萄色(露と同色です)、摺箔は長絹の文様と同じ色合いの黄金色。
袴にしろ摺箔にしろ、長絹で使われている色とそろえることで「つなぎ感」というか、
洗練された感じが出ますね。シテの成熟した雰囲気によく似合っていました。
特に袖をひるがえす型が本当に美しくて、ため息が出そう・・・。
そんなわけで久しぶりの五雲会、とっても楽しかったです。