ART

炎の怪人 ―式場隆三郎展「腦室反射鏡」(練馬区立美術館)

「腦室反射鏡」というキャッチーなサブタイトルといい、気合入りまくりのポスター。 局地的に話題になっている式場隆三郎展を観に中村橋へ。 横尾忠則の状況劇場のようなポスターにそそられたけれど、そもそも式場隆三郎って誰? 式場隆三郎(しきば りゅう…

大川美術館へ

お盆休み中、大川美術館(桐生市)まで行ってきた。 大川は去年11月の松本竣介展「街歩きの時間」以来だから9か月ぶり。美術館を訪れるのは、1月31日に東京都美術館のハマスホイ展に行って以来だから、実にほぼ7か月ぶりだ。こんなにも長く美術館に足を運べ…

ジュリアン・オピー展(東京オペラシティアートギャラリー)

UKを代表する現代美術家の一人で、点と線という最小限の「視覚言語」により、 生き生きとした人物像や風景を表現する作風で知られるジュリアン・オピー。ロンドンのテート・モダンでオピーの作品を観ていたので、久々に初台まで行ってきた。 今回は作品数が…

「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」(東京都庭園美術館)

東京都庭園美術館に岡上淑子展をみに行ってきました。 ほんとうは三連休を利用して遠出したかったけれど、この雪のなか北関東まで出かけるのは無謀かと思い直して予定変更。 「夜間訪問」(1952) 現在、岡上淑子(1928-)を知っているのは服飾デザインや戦…

「ソフィ カル 限局性激痛」原美術館コレクションより(原美術館)

東京に初雪の降った翌日、ソフィ・カル「限局性激痛」の再現展に行ってきました。1999年に原美術館で開催された個展「限局性激痛」をフルスケールで再現したものです。 早くも2019年のmy best exhibitionになりそうな予感とともに、かなり「刺さる」というか…

「ムンク展」(東京都美術館)

クリスマスイブの晩に、「ムンク展」観に行ってきました。 実は11月上旬にも行ってきたのですが、なかなか休みが合わない夫が観たいと言うので、再訪と相成りました。 予想通り会場はふだんより平均年齢若め&カップルだらけで、展示室に入るまでに大行列で1…

「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」(文化村ミュージアム)

20℃超だった初旬の暖冬から一転、急激に冷え込んだ都内。 凍える夜にふさわしい美術展に行ってきました。 渋谷の雑踏には、年々ついていけなくなってきています。昔、コンサートの終演後にNHKホールから渋谷駅まで一緒に帰ってくださった方が、雑踏をものと…

美女の薬入れ

2016年の「ボッティチェリ展」で買った、飴ちゃんのケース。 『美しきシモネッタの肖像』(丸紅コレクション)。 モデルの女性は、ボッティチェリのパトロンであるロレンツィオ・ディ・メディチの弟・ジュリアーノの愛人シモネッタ・ヴェスプッチ。 ルネサン…

長谷川利行展 七色の東京(府中市美術館)

酒に溺れ、ドヤを渡り歩くその日暮らしのなか路上でキャンバスに向かい、看取る人もないまま養育院で没した長谷川利行(1891-1940)。 東京会場(府中市美術館)はすでに会期終了したけれど、代表作を含む140点でその画業全般を俯瞰した充実の内容。私にとっ…

皮膚に遺された記憶-『石内都 肌理と写真』横浜美術館

横浜美術館で開催中の『石内都 肌理と写真』展に行ってきました。 芸術新潮12月号の紹介ページに掲載されていた写真を見て、私好みの写真家だナと予想していたのだけど、期待以上というか、殴られるような衝撃を受ける内容でした。 展示構成は以下の通り。 …

アルチンボルド展(国立西洋美術館)

「自画像【紙の男】」(1587) この夏は全くといっていいほど美術展に足を運んでいなかったのですが、ようやくアルチンボルド展に行ってきました。 閉幕間近なので、平日の午後にも関わらずそれなりの混雑。 ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593)は、マ…

岩手県立美術館②

今回は出発の二週間前にかかった風邪が長引いてしまい、前日まで微熱が続いていたのを、文字通りの片肺飛行でなんとか仕事を片付けて、執念で出てきた状態でした。 したがって、美術館では目的を絞って、イコール「松本竣介・舟越保武展示室」にほぼ限定して…

デトロイト美術館展

上野の森美術館で会期終了間近のデトロイト美術館展に行ってきました。 集客力の高い美術展(ダリ展、ゴッホ&ゴーギャン展、クラーナハ展)が同時期に開催されていたために、それほど混んでいないという噂のデトロイト。 お隣(西洋美術館)で開催中のクラ…

お金がなければ美術館(常設展)に行けばいい

(今年3月に撮影) 先述のように、洗濯機を共同購入したために9月の休暇は低予算で過ごすことになりました。貴重な平日の休みこそ美術館やカフェに行きたいもの。とはいえ、企画展は入場料が高い。だったら常設展に行けばいいじゃない! というわけで、世界…

カラヴァッジョ展

何年に一度かは、予想だにしていない衝撃を受ける画家に出会うものです。普段意識している自分の好みとは必ずしも相容れないのに、向こうの方から五感に訴えかけてくるような。 私にとっては、直近では2014年春の「バルテュス展」(東京都美術館)がそんな美…

バルテュス展

この書庫に記事をアップするのはすごく久しぶりかも。 現実の世界では2月に森美術館の「ラファエル前派展」に出かけたり、先日もBunkamuraの「ミラノ ポルディ ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション」でポライウォーロの貴婦人像を観てたりしてたの…

「犬のための建築」展(TOTOギャラリー「間」)

東京ミッドタウンにほど近いTOTOショールームのギャラリー「間」で開催されていた 「犬のための建築展」最終日にすべり込みで行ってきました。(12月21日で終了) タイトルどおり、「犬のため」に作られた建築物?を紹介している展覧会です。 建築は、「人…

ソフィ・カル「最後のとき/最初のとき」(原美術館)

昨日、仕事の帰りに品川の原美術館へ、フランスの女性現代美術作家ソフィ・カル「最後のとき/最初のとき」に行ってきました。 ソフィ・カルは写真と言葉をつないだ物語性の高い作品で知られており、原美術館では1999年「局限性激痛」以来14年ぶりの展示と…

L'Absintbe 1989(アプサント)

(モニーク・フリードマン「アプサント」) 2011年の暮れに金沢21世紀美術館で観た、モニーク・フリードマン展の中で 一番好きな作品。 綿布にパステルと顔料で着色した190×570cmのキャンバスから 春の光や小川のせせらぎが今にもあふれ出してきそうな色彩の…

美術館 de お散歩(国立西洋美術館)

「考える人」 ラファエロ展を観た帰り、珍しく美術館前庭のロダンに寄り道。 ロダンはあまり好きじゃないのですが、屋外の彫刻は季節や時間帯によって 表情が移ろうように見えるのがいいですね。 ↑の角度から観ると、ベンチで途方に暮れてる人に見える。。逆…

「ラファエロ展」に行ってきました!

3月2日から国立西洋美術館で開催されている「ラファエロ展」に行ってきました! 今年は、ラファエロ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロの「ルネサンス3大巨匠」の作品が次々と日本へやってくる、すごい年。 その皮切りとなるのがラファエロ・サンツィオ(1483-…

「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」展(横浜美術館)

1月26日(土)から 横浜・みなとみらいの横浜美術館で開催されている「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」初日に行ってきました。 美術館に行く前に、クイーンズスクエアの日揮本社へお花をお供えしてきました。 この日の午後には、アルジェ…

「ドビュッシー 音楽と美術-印象派と象徴派のあいだで」展(ブリヂストン美術館)

19世紀末~20世紀初頭のフランスを代表する作曲家クロード・ドビュッシーをテーマに、同時代の印象派や象徴派の芸術家たちの作品を紹介する「ドビュッシー展」に行ってきました。 この美術展は、フランスのオランジュリー美術館とブリヂストン美術館の共同企…

「藤田嗣治と愛書都市パリ -花ひらく挿絵本の世紀」(渋谷区立松涛美術館)

藤田嗣治(レオナール・フジタ)といえば、2006年春に国立近代美術館で開催された大回顧展で目にした繊細な線で描かれた乳白色の女性像や猫、戦争画、子どもの印象が強いですが、その藤田が生涯に数多くの挿絵本を手がけていたことはあまり知られていないよ…

「ベルリン国立美術館展 ~学べるヨーロッパ美術の400年~」

マウリッツハイス美術館展を観て数日後の7月下旬、またまた上野の森に出没。 国立西洋美術館で開催中の「ベルリン国立美術館展」を観に行ってきました。 この展示、「耳飾り」と同時来日中の「真珠の首飾りの少女」をメインに宣伝していますが、サブタイト…

マウリッツハイス美術館展「真珠の耳飾りの少女」

平日の休みを利用して、東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」へ。 上野駅の公園口を出ると、ちょうど昨日からシンシンの展示(パンダも「展示」っていうんですね~)が再開された旨お知らせの看板が。でも混雑度では間違いなくお隣のこっち…

横浜美術館「マックス・エルンスト  フィギュア&スケープ」

マックス・エルンスト「少女が見た湖の夢」(横浜美術館所蔵) もう二週間ほど前にすべりこみセーフで観に行けた東博の「ボストン美術館展」の記事も書けていないのですが、梅雨の晴れ間の午後、みなとみらいの横浜美術館まで「マックス・エルンスト フィギ…

「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」(国立近代美術館)

今日はちょうどカイシャがお休みだったので、電車乗り継いで大手町へ。 毎日新聞社前の交差点で信号待ちしてたら、目の前で磨きぬかれた黒塗りのクラウンがゆっくり通り過ぎていく瞬間、後部座席のぐったりした顔のオジサンと目が合ってしまった。。日本経…

杉本博司「ハダカから被服へ」(原美術館)

暮れに21美のモニーク・フリードマン展に行って以来の美術館詣でです。 やまねこ、原美術館に足を運ぶのは初めてですが、和光や国立博物館本館で知られる渡辺仁が設計した戦前の瀟洒な邸宅に、杉本博司の作品が不思議に調和した空間を楽しんできました。 …

「春日の風景」(根津美術館)

今週末に銕仙会で「春日龍神」を観るので、根津美術館へ「春日の風景」を観に行ってきました。そういや根津は銕仙会能楽研修所から目と鼻の先のご近所です。 開館70周年を記念して、根津をはじめ、東博、奈良国立博物館、湯木美術館、能満院、奈良県南市町…