明日の神話

書庫「美術展」のタイトルを、exhibitionに限定しない「ART」に変更しました。

さて、きのう庭園美術館に行ったついでに渋谷に寄ってみました。


渋谷駅への設置から二週間あまり。
ガラスケースなしで恒久設置された作品には、24時間体制でガードマンが配置されてます。
約40年間、行方不明だった巨大壁画の発見から修復、渋谷への誘致に至る経緯は
すでに各メディアで取り上げられているので、ここでは繰り返しませんが、
やはり実物(縦5.5メートル×横30メートル)は迫力がありますね。
原爆炸裂の瞬間、画面中央で生きながら燃え上がる骸骨が強烈な印象です。
作品の背景を詳しく知らなくても、悲しみや怒りの感情がじかに伝わってきます!

マークシティ側からアプローチして、この壁画が視界に飛び込んできた瞬間、
あまりに自然に、周囲の環境にマッチしているのに驚きました。
井の頭線改札口の改装に合わせて設置されたといっても通用しそうなくらいです。

イメージ 2

写真のように人通りの多い場所なので、真ん前に立って観るのはキビシイですが
銀座線乗り場側からだと斜め上方から全体を俯瞰できます。
こうしてみると、題材の重さにも関わらず、悲惨さの中にもどこか明るさが感じられます。

大阪万博は私の生まれる前だったし、「太陽の塔」も正直ナンジャラホイ状態だったけど、
人混みのなか、うろうろ場所をかえながら壁画を観て、
あの独特の強烈な色彩やフォルムは、人が大勢集まる場所でこそ生きるものなんだなあ、
この作品は、美術館やホールではなく、渋谷の雑踏が似合ってるな、と思いました。