ワディム・レーピン ヴァイオリンリサイタル

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ドビュッシー  :  ヴァイオリンソナタト短調
プロコフィエフ :  ヴァイオリンソナタ第1番へ短調 作品80
ベートーヴェン : ヴァイオリンソナタ第9番イ長調「クロイツェル」

どうです、このプログラム!
この日のためにお仕事がんばってきた私。
ちなみにピアノはイタマール・ゴランでした。

2005年9月のN響定期公演以来、
3年ぶりのレーピンは(私の期待を裏切るはずもなく)完璧な演奏でした!

一曲目のドビュッシーは 冒頭のピアニッシモの入りが実になめらかで
卓越したテクニックに、ただただ感嘆しているうちに終わってしまった・・・という感じ。
でも、これはプロコとクロイツェルのオードブルだったのだということが次第にわかってくる。
暗鬱な曲想のなかに、力強さと叙情性を併せ持ったプロコフィエフなんて
レーピンには もう自然に身体にしみついた十八番なんでしょうね。
超絶技巧の名曲を、なんの不安げもなく余裕で弾ききったのはさすがです。
そしてクロイツェル。一点の曇りもない明るく澄みきった音の洪水。

どの曲も、すでに録音されたものばかりですが
特にプロコの1番は95年の録音時すでに演奏スタイルが完成されていたものの
当時に比べると、やや演奏がやわらかく丸くなった、という印象です。
私の好きな、レーピンの「極上のピアニシモ」は、さらにやわらかく艶を増した感じ。
CDのレビューなどで「骨太」「ヴィルトゥオーソ」と形容されることの多いレーピン、
実演の印象は、たしかに並外れた体格と強靭な筋力に恵まれたゆえの力強さはあるけど
どちらかというと繊細で叙情性の強いタイプの演奏家だと思います。
樫本大進とのデュオでは、ボリュームてんこもりなのが気になったゴランも、
今宵のレーピンとの水ももらさぬ息の合いっぷり(?)、すばらしかったです!

客席は予想に反して前方に若干の空席がみられたものの
30代、40代の(レーピンと年齢が近い)ファン層が中心、あとは50代がぱらぱら。
もうみんな興奮状態で拍手が鳴り止まず、レーピンは3曲もアンコールを演奏!
拍手にうれしそうな表情を隠さず、ゴランに「次、あれ弾こうか♪」って感じで
茶目っ気たっぷりにウィンクしてクライスラーを弾くレーピン!

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写真手前のCDは今宵から私の家宝(^-^)V  銀の油性ペンで'Repin'。
終演後にサイン会があるというので、来日記念盤のブラームスのCD片手に
行列に並んだんですが(結構ミーハー)~~~なんと200人近くものサイン待ち!
ちょうど私の2人後ろが、ヴァイオリンケース持った小学校低学年の男の子だったんだけど
それまでオトナの顔だったレーピンが、ぱっと笑顔全開になったのが印象的。
レーピンは一児のパパだそうだから、自分の坊やを思い出したのかも・・・。
ヨーロッパの人と日本人の違いもあるだろうけど、
大人の男性の満開の笑顔は久しぶりに目にした気がしました。ステキです!

(なんか「びっくりマーク」で段落を〆てばかりの文章ですネ ^_^;)