NHK交響楽団 第1653回定期公演(Aプログラム)

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メンデルスゾーン / 序曲「フィンガルの洞窟」作品26(ローマ版)
メンデルスゾーン / ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64(初稿)
メンデルスゾーン / 交響曲 第3番 イ短調 作品56 「スコットランド
指揮 :クリストファー・ホグウッド
ヴァイオリン :ダニエル・ホープ
(※9月19日 NHKホール)


3か月ぶりのN響はオール・メンデルスゾーンのプログラム。

今日は斜め前の席に 首席フルート奏者の神田さんの姿が。
勉強熱心なヒトだなあ・・・と思いつつ乗り番の顔ぶれを見て、ははーん。。。

ま、それはおいといて

ホグウッドのメンデルスゾーンはひとことで言って、「こんなメンデルスゾーンもあるのか!」
フィンガルもメンコンもスコットランドも、ヴィブラートを抑えた、というよりほとんどきかせない直線的なサウンド
ドイツロマン派を代表するメンデルスゾーンの作品の中でも上記の3曲は特にポピュラーなもので、一歩間違うと感傷的で甘ったるい演奏になりかねない(特に日本人の指揮者)のですが、
ホグウッドは甘さ控えめの明晰な演奏で、なかなか面白かったです。

そして、本日のメイン「スコットランド」。

第一楽章の序奏は、木管セクションが細くくっきりとしたアウトラインを描いて始まり、弦がもう一回り太いラインを描いて木管を引き継いでいく・・・といった印象で、視覚イメージに非常に強く訴えてくる演奏です。
この曲の冒頭を聴くとき、表題のせいか私の頭の中には、霧の中から城郭がゆっくりと姿を現す・・・というイメージがあるのですが、ホグウッドの指揮では霧は最初から晴れていて、城郭のアウトラインもはっきりしています。今回は金管だけなく、木管も直線的というかやや強めの音を出していたように聴こえました。
あえていえば、弦のニュアンスがやや欠けていて、ともすれば平板に聴こえてしまう場面もあったかも。このへんは難しいところです。私は「甘さ控えめメンデルスゾーン」自体は、悪くないと思いますが。
ひとつのオケを聴き続けていて面白いのは、その指揮者がどんな響きを求めて練習期間に音を積み上げていったのかが、なんとな~く透けて「見える」ことがあること。たまに何をどうしたいのか、ワケわかんない人もいますけど・・・(*******とか)。ホグウッドは音の層(の断面)が明晰なので、「見て」いて楽しかったです。

終演後はちょっとうれしいこともあり、ひさしぶりに気持ちのいい晩でした(^-^)