アロマのチカラ

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「見て、このひどい顔、自分でも厭になるわ」
丹青が荒れた肌を気にすると、
「確かにあなたらしくないわね、忙しいだけじゃなくて、他に心労でもおありなの」
二十代から丹青の髪を扱っている主任は、遠慮なく聞いた。
「そんなこと、私にあるわけないでしょ」
丹青は一笑に付したが、眼に憂いがあった。(中略)
「強がりは相変わらずね、今日はパーマ、それともセットだけ?」
「両方だけど、その前にこの顔、なんとかしてもらいたいわ」
「かしこまりましたわ、小姐」
美容主任は丹青を昔のままの若い娘扱いにし、椅子の背を倒して、香港の美顔術を広州で習得した美容師を呼んだ。
丹青は椅子に仰向けになり、油性クリームをすり込んでマッサージが始まると、忽ち快い眠りに落ちた。  
                                   山崎豊子大地の子」-


大地の子」や「二つの祖国」「華麗なる一族」など、山崎豊子の作品には仕事を持ち自立した女性がよく出てくるのだけど、なかでも印象的なのが「華麗なる一族」の主人公・万俵大介頭取の愛人にして万俵家の女執事・高須相子と、「大地の子」の主人公・陸一心の元恋人の趙丹青。
二人とも仕事がデキる分 気が強くて、悪役だったりワガママだったりするのだけど、美人で美容やおしゃれが息抜き♪というところが共通していて、やまとよ、実は自分の理想像を投影して書いてたりして・・・。
(当時は仕事を持つ女性自体が希少だったこともあるのだろうけど)

私がやまとよ作品にハマッた学生時代、こういう「大仕事の後の美容シーン♪」のインパクトは結構大きかったですね~。その後、就職してお給料がすこしずつ上がるようになってからは、年に一、二回ではあるけれど、大きな仕事を仕上げたあとに少し贅沢してエステに行っています。

きのう、1月中旬から手がけていた年間で一番重い業務がようやく一段落したので、
久しぶりに贅沢しに行ってきました。

今回足を運んだのは、某アロマテラピー専門店のトリートメントルーム。
フルボディ、フェイシャルでそれぞれ体調に合わせてブレンドするオイルを決めて、二時間ゆっくりマッサージしてもらうコースです。
この二ヶ月間、ハードワークに加えて、お能を観にいったりプライベートもこなしていたんだから、そりゃ~疲れますわな。
そんなわけで、香りをかいで選んだオイルは解毒作用・保湿効果のあるものばっかり~~。
実は自覚している以上に、毒がたまってカサカサな やまねこ・・・(^◇^;)

この日、処方されたオイルは以下のとおり。
<FACE>ネロリゼラニウム
<BODY>フランキンセンス、マジョラム・スイート、グレープフルーツ
これに、消炎作用と保湿効果のあるローズ&マロウ・ブルーのフェイシャルパックがつきました。

で、肝心の効果は・・・アロマテラピーのマッサージって、整体やマッサージ屋さんよりずっとソフトなんですよね。どっちかというと、リンパの流れをうながしたり、香りでリラックスさせる感じ。
二時間の施術中、ほとんど ぐうぐう眠っていたのだけど、久しぶりにたっぷり汗をかいたし、
体がすこし軽くなったような。
そしてその晩は、何ヶ月ぶりかで寝入りよく半日くらい昏々と眠っておりました。
まあ、眠りは美人の素っていうから、そういう意味でも美容によかったかも。

写真はおみやげの「キュー植物園シリーズ」のバスミルク。
柑橘系オイルを使ったサワヤカ系の香りです。お風呂タイムが楽しみ~~♪