やまねこの夏休み-①高岡・雨晴海岸

8月11日から14日まで、高岡市~金沢へ三泊四日の旅に行ってきました。
 
高岡市、というと今までは金沢から長岡へ帰る北越号で「通過するだけ」の土地だったのですが、「高岡にもクオリティの高い町家がたくさん残されている」と聞いて、金沢に行く前に立ち寄る気になりました。
ところが、観光情報はもはや飽和状態の金沢に対して、高岡は「るるぶ」でもほんの2,3ページ取り上げられているだけで、詳しい市内地図すら載っていない。幸い、高岡市観光協会のHPから詳細な観光案内と街歩きMAPがプリントアウトできました。それによると、高岡は奈良時代越中国国府が伏木に置かれたため、若き大伴家持国司として5年間を過ごし多くの秀歌を残したこと、その後前田利長・利常の代に城下町として発展したこと、近世では北前船の寄港地として伏木港が交易で栄えた歴史ある土地であることがわかりました。
 
それならば、最初に家持ゆかりの雨晴・伏木地区を回り、駅周辺に戻って山屋町筋・金屋町筋で町家ウォッチング、〆は駅南の瑞龍寺~!とサクッとプランを立てたものの、交通の便がよくないので、あまりタフではないやまねこ、ゆとりを持って駅前で一泊することに。
 
イメージ 1
 
さて、古の国府が置かれた伏木へ向かうべく、高岡駅氷見線に乗り込んだ やまねこ。
写真のようにわずか2両のワンマン運転、しかもドアは手動のボタン開閉式!
車所有率の高い富山県では、こういうローカル線は1時間に1本しか出ていないので、いったん伏木を通過して雨晴で下りて、折り返し伏木に向かうには事前に時刻表を確認しなくちゃ!
 
イメージ 2
 
高岡からガタンゴトンと揺られて20分ほどで「雨晴(あまはらし)」に到着。
越中国府のあたりから、線路が波打ち際ギリギリまでせり出しているように敷設されていて、
崖の上のポニョ」が海岸線を走っている場面を連想しました。
散策時間は、氷見からの折り返し運転の電車が着くまでの、わずか23分間。
 
イメージ 3
 
人気のない海岸で、高岡方面を望む。
遥か向こうは、頂を雲におおわれた立山連峰
雲が晴れ渡れば、海の上に神代の山々が浮かんでいるように見えたことでしょう。
 
馬 並 ( な ) めていざ打ち行かな 渋谷 ( しぶたに ) の  清き 磯廻 ( いそみ ) に寄する波見に
(馬を並べてさあ行こう、渋谷(=雨晴)の崎の清らかな磯辺に寄せる波を見に)
 
立山に降りおける雪を 常 ( とこ ) なつに見れども飽かず 神柄 ( かむから ) ならし
立山に降り敷いた雪は、四季を通して常に眺めても見飽きない。神の品格のゆえであろうか)
 
奈良の昔、若き家持がこの浜に立っていた頃から この景色は変わっていないのかなあ。
手前右端の松は 義経都落ちの道中、雨晴れを待ったと伝えられる「義経の松」です。
 
イメージ 4
 
氷見方面の海。
台風接近の折、フェーン現象で抜けるように青い空の下は猛烈な蒸し暑さ。
日本海の青は心が落ち着くような色合いで、沖に向かうほど深く透明になっていきます。
家持ならここで美しい歌の二つや三つ、詠みあげるのだろうけど、やまねこの頭に浮かんだのは
 
うーみーはーひろいーなー おおきーいーなー
つーきーはーのぼるーしぃ ひが しーずーむぅーー (^◇^;)
 
イメージ 5
 
そうこうするうちに、「遮光率99.99%以上」の日傘を透しても 炎天下(最高気温37℃)で
頭がボ~~っとしてくるし、折り返しの発車時刻も迫ってくるしで、あわてて駅に戻ることに。
ちなみにWikipediaによれば、雨晴駅の一日の乗降客数は70人(2007年度)だそうです。