やまねこも格が上がる?!旧前田公爵邸(駒場)

 ちょっと前になりますが、駒場にある旧前田公爵邸に行ってきました。
東大教養学部に隣接した駒場公園内に、前田家の和館と洋館が保存されています。
渋谷近隣の高級住宅街というと松濤がメジャーですが、実際に歩いてみた印象では、駒場の方が落ち着いた感じの邸宅(または文化住宅)が目につきますね。
 
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 こちらは和館。
お庭は他の人が撮影していたので写真が撮れなかったのですが、あっさりした兼六園という感じのお庭で、石灯籠や雪吊りも点在していました。
 
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 海外からの賓客をもてなすために建てられたというこの和館、お座敷にシャンデリアがあるのはあまり感心できませんが、注目すべきはむしろ欄間などの建具。
 
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 引き戸や和風の照明は、梅の家紋がほどこされていています。
 
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 こちらは洋館。
1929年竣工のこの洋館は、当時「東洋一の洋館」と呼ばれていたのだとか。宮内省内匠寮の設計によるイギリス・テューダー様式の旧前田侯爵亭は、コンドル設計の岩崎家の邸宅に比べると一見すっきりした感じですが、内装がスゴイ。
 
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 中に入ってまず目をひくのがイタリア産大理石の柱やマントルピース。
特に写真の中央階段の壮麗さは、一瞬、別世界に紛れ込んだような気分になります。
 
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 階段を上りきったところ。
 前田家はこちらの洋館で暮らしていたそうですが、さすがはお殿様だけあって、お城での暮らしをそのまま洋館に置き換えたのではないかという気がします。
 また、同じ建物の中でも社会的階層が明確に分かれていて、長男や娘より三男の部屋の方がシンプルというか簡素になっていたり、部屋自体の配置に序列が表れています。建物の裏側は使用人の部屋で、廊下は人一人がやっと通れるような幅の狭さ。女中部屋は割と恵まれていた方じゃないかしらん。個室ではないにしても小さな床の間があったり、テラスにそのまま出られるようになっていました。
 
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 やまねこが足を運んだときは見かけなかったけど、数年前の夏に両親がここを訪れたときは敷地内に猫がたくさんいて、「あれは野良ですか」と職員さんに聞いたら、
「前田家の地内にいる猫は、地域猫と呼んでおります」
とのこと。さすが百万石の大名家ともなると、そこらの野良猫も格が上がるのですね~(笑)。
 
 ところで、前田家の子孫って今どうしてるんでしょうね?徳川家は分家の奥様がマダム雑誌に出ているし、細川家のお殿様はロクロ回してるけど、金沢で何度か聞いてみても知っている人はいなかった。やまねこと同じ疑問を抱いている人が他にもいたようで、職員さんに聞いていた人がいたけど、どこぞの商社にお勤めされてる(た)そうです(何代目の方か忘れちゃったけど)。
 
 洋館にはちょっとしたカフェスペースもあって、休日にちょっと贅沢なお散歩を楽しむことができますよ。