大人の女のコートスタイル -映画「評決」-

イメージ 1
「評決」」(1982年)
 
 30代以上の女性誌では、トレンチコートは定番中の定番だけど、私のあこがれの「コート姿がかっこいい大人の女性」は、イギリスの女優シャーロット・ランプリング
ランプリングの代表作といえば、なんといっても上半身ヌードにナチの親衛隊の帽子をかぶった退廃的なスタイルが有名な「愛の嵐」だけど、私が好きなのはウッディ・アレンスターダスト・メモリー」(1980)「評決」(1982)のランプリング。彼女は1946年生まれだから、「評決」撮影当時は36歳だったのですね。
 
イメージ 2
 
 「評決」は、かつてはエリート弁護士だったが買収事件に巻き込まれ、すっかり落ちぶれた飲んだくれ弁護士のギャルビン(ポール・ニューマン)が食い詰めた末に、医療ミスの患者側弁護士を引き受けたことがきっかけで、徐々に弁護士としての使命感を取り戻すが、病院側の陰謀に巻き込まれ・・・という法廷モノ。
 
 ある晩、行きつけの酒場で謎めいたバツイチの美女ローラ(ランプリング)に出会ったギャルビン。どーみても酔っぱらいのナンパオヤジにしか見えません。。
 
 
イメージ 3
 
 
 首尾よくナンパに成功し、自宅に美女をご招待したギャルビン。
この直後、離婚した奥さんとの写真立てをあわてて伏せて、彼女に笑われてしまうのですが・・・(笑)。
 
イメージ 5
 
 弁護士としての使命感と、男としての自信を取り戻して、水を得た魚のように仕事に打ち込むギャルビンとそんな彼を支えるローラ。なにしろ、もともとキレ者弁護士だっただけあって、2枚目の写真とは別人のように変身したポール・ニューマン((笑)。
ほんっとわかりやすいですな~。でも殿方は単純なくらいな方がいいです♪
 が、ギャルビンが見つけ出した重要証人がなぜか病院側に寝返ってしまう・・・。
そーです、謎の美女ローラは、実は病院側の大物弁護士の下で働く弁護士だったのです!(←当たり前すぎる展開)ショックを受けて彼女を叩き出すギャルビン。
 
 上の2ショットのシャツワンピーススタイル、往年のイギリスのスパイものっぽいクールな雰囲気を出していてカッコイイ。
 
イメージ 4
 
 病院側の妨害工作にも屈しず、土壇場で勝訴を勝ち取るギャルビン。
法廷を出た彼の前に、ホールに佇むローラの姿が・・・。離婚によるキャリアのブランクを取り戻そうとして、上司の指示でギャルビンを裏切っていたローラは、今では真に彼を愛しているのだった・・・(←都合よすぎる展開)
 
 このキャメルのコート、マックスマーラーかなあ?
定番中の定番といっていいくらいシンプルなスタイルだし、お化粧もあっさりめ(?)にもかかわらず、「評決」のランプリングは無駄なものがそぎ落とされて、まさに素材で勝負、といった感じ。大人の女性の色気と強さ、知性を感じさせる美しさ。
若い頃は 美貌と流し目の妖しい演技が売りの女優というイメージだったけど、このくらいの年齢になると本質的なものが顕れてくるのかもしれない。
 日本はその点、男も女も三十を過ぎても「成熟」より「若さ(幼さ)」を求める傾向が強いよね。ほんと、美魔女とか二十代に見えるなどとおだてられて喜んでいる場合じゃないよ。
 
 小ジワやクマができようと、心身ともに、自分の年齢相応な「オトナ」でありたいな・・・と、久しぶりにランプリングを観て思ったことでした。