マルセル・メイエのスタジオ録音集成

クープラン「やさしい訴え」

 本日は振替休日。
 先日久しぶりにコンサートに行ったことで耳が音楽を求めるようになって、CDをよく聴いています。私は大編成のオーケストラより室内楽やソロが好き。

 最近のお気に入りは、20世紀初頭のフランスのピアニスト、
マルセル・メイエ(1899-1859)
リールの生まれ。5歳の頃から姉からピアノを習い、1911年にパリ音楽院に入学。マルグリット・ロンのクラスに入るも、アルフレッド・コルトーの薫陶を受け、1913年にプルミエ・プリを得て卒業した。その後、リカルド・ヴィニェスから、モーリス・ラヴェルの音楽を教えられることとなった。1917年にピエール・ベルタンと結婚したことで、エリック・サティらと親交を持つようになった。サティは「私の小さな可愛いレディ」と呼び、彼女を大変かわいがったという。サティの親交から、フランス6人組らとも関わり、フランシス・プーランクらの作品の初演も手がけた。パリにて没。
(「Wikipedia」からの引用)


 パリ音楽院でマルグリット・ロン門下に入りながらコルトーの薫陶を受けるというあたりが、サンソン・フランソワ(1924-1970)を思わせる経歴。
 上のクープランの演奏からもうかがわれるように、メイエの演奏は明るく端正でエレガント。偶然見つけた動画ですっかり魅せられてしまい、17枚組のCDボックスを買いました。

イメージ 1

 収録されているのはシャブリエラヴェルドビュッシークープラン、バッハ、ラモー、スカルラッティモーツァルトロッシーニシューベルトストラヴィンスキーリヒャルト・シュトラウス、ミヨー、プーランク、ファリャ、アルベニスなど、割とバランスよくまとまっている印象です。
 収録数からみると、主なレパートリーは20世紀初頭フランスの作曲家群とクープラン、バッハ、ラモー、スカルラッティあたりでしょうか。特にクープランスカルラッティの演奏は魅力的で、メイエの古典に対する姿勢がうかがわれます。
 そして17枚目に収録されているプーランクは音質こそよくないものの、あの時代の空気感、衣ずれの音や香水の馴染んだ肌の匂いが伝わってきそうな臨場感があって、ちょっとドキドキしました。

 ところで、メイエは写真等からアッパーミドル以上の階級の出身ではないかと思ったのですが、調べてみたら興味深い画像が見つかりました。

イメージ 2
 ガブリエル・ココ・シャネルとマルセル・メイエ(1928年)

 当時45歳のココ・シャネル(右)と親交があったようです。
キャプションには「ウェストミンスター侯(シャネルの当時の愛人)のヨット『デューク号』船上にて」とあって、カジュアルな服装のシャネルの誇らしげな表情からも、当時のシャネルをとりまく雰囲気が伝わってきます。
 それにしても、腰までのVネックカーディガンの下ボタンだけかけて、開いた胸元にパールをじゃらじゃらつけるというシャネルのカジュアルスタイル、難易度の高いくずし方だわ…。