睡蓮・蓮華・エジプトロータス

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昨日のモネ展「睡蓮」シリーズは、(期待に反して)意外に心に訴えてくるものがなかったけれど、睡蓮自体はもともと好きな花なので、ネットサーフィン。

恥ずかしながら、「スイレン」と「ハス」の区別も知らなかったのだが(サイズ違いくらいだろうと……汗)、そもそも植物学上の分類も違うとのこと。
それにしても、

「睡蓮が浮葉が主体であるのに対し、蓮は水面から抜き出る立ち葉が主体 。睡蓮の大部分が、水面上に浮かぶように咲くのに対し、ハスは水底の地下茎の節から花が伸びる」

こんな区別、(泥)水に潜ってみなきゃわからんだろーー!!

もうちょっとロマンな出典では、荒俣宏「花の王国」の『園芸植物』。
日本・アジア諸国の仏教圏だけでなく、古代エジプトでも睡蓮は聖なる花だそうだ。
(以下引用)
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エジプトでは増水期に開花する睡蓮(エジプトロータス)を生産力の象徴とみなした。
又、夕方に沈み翌朝再び水面に出て開花する姿は再生を強く連想させ、
花をミイラに飾ったり、出港する船や葬儀への献花とした。

王冠に似た形態から王位をあらわすと考えられ、またオシリスの持物である。

太陽神ホルスはこの植物から生まれたとされ、

エジプトロータス文様には、
側面から見た形をデフォルメした美術史上重要なパルメットがある。

この模様はシルクロード経由で遠く日本まで到達している。
ギリシアアカンサスとともに工芸建築装飾の二大源泉である。
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仏教では、泥の中でも美しく咲くハスの姿に人間の生きる姿の理想を見出したのに対して、古代エジプトでは死からの再生(生命力)の象徴ととらえるところが面白い。
気候風土の違いからくるのだろうか。

エルメスから「ナイルの庭」というシトラス系フレグランスが出ているけれど、
こんなエピソードから調香師がイマジネーションをはたらかせたのかも。
上品で甘ったるさのない香りなので、この夏試してみようかな。