アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌

昨日は、ピーカンの下(しかもお午時に)、竹橋の国立近代美術館へ。
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こないだのモネ展とは対照的に、会期スタートまもない会場はガラッガラ。
おかげで、傍若無人なオバチャンやバカップルにじゃまされず、ゆっくり鑑賞できた
……のですが、出展数・密度ともにハイボリュームで疲れました。

それまで普通に存在していた世界から生じた「違和感」「感情の揺れ」を
つかみ取り、凝縮させ、切り取ってきたショットの数々。

中でも息を呑んだのは、1945年にドイツのデツサウで撮影された一連のショット。

強制収容所からの解放、
ひとりの女性が自分をゲシュタポに密告した者を覚えていた』

密告された女性と密告した女性。二人を取り囲むユダヤ人の群集。
密告者を見つけた女性は、憎悪をみなぎらせた表情で彼女の肩に手をかける。
そして密告者を冷たい眼で見下ろす群集。
怒りと憎悪の感情が爆発する直前の一瞬(憎しみの連鎖が生まれた一瞬でもあります)
をとらえた、息詰まるような作品です。

残念ながら、目録には全出展作品は掲載されていません。
まあ350点近くも出展していれば、コストの関係上しかたないのかも。
(気に入った写真が載っていないのが、これまたお約束なんだよなあ)

それにしても、地下鉄の乗換えではずいぶん歩きました!
「上野エリアで、一日三件の美術展をハシゴした」
というブロガーさんもいらっしゃるけど、体力・集中力両面で私にはムリだ……。
お風呂あがりにレッグジェルをすり込んでそのままノックアウト。