青山ユニマット美術館

先日爆発した温泉施設「シエスパ」と同じユニマットが運営する美術館。
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お目当ては、シャガールとエコール・ド・パリコレクションの常設展。

今週号の「アエラ」で、グループの総帥がバブル崩壊時に売りに出された名画を
収拾したコレクションが元だと書いてあるけれど、よくぞこれだけそろえたものです。

4Fにはシャガールの作品が初期から晩年まで幅広くそろっており、
3Fのエコール・ド・パリコレクションは、
ピカソモディリアーニ、キスリング、藤田嗣治ユトリロローランサン他多数。

中でも印象的なのは、藤田嗣治の作品。
藤田の作品は、去年国立近代美術館でも見ましたが、
ここの作品の特徴をひとことで言うなら、「妖艶」。
3番目の妻・ユキがモデルの裸婦もゾクッとするような妖しい魅力を放っていますが、
「バラ」の静物画はそれ以上に官能的な作品です。
バラの真紅の深さ、白磁(?)の花瓶の質感……とにかく触覚的。
目で「視る」というより「触れる」といった方がいい作品です。
館内がすいているので、至近距離でキャンバスに厚く塗られた顔料の密度の高さ、
面送筆の線描の細さに驚かされます。
他の画家の作品と並んでいるだけに、やはり日本人の絵だなぁと実感。
それにしても、万一顔料が剥落したら修復が大変そうだなぁ。

そして、モディリアーニの「褐色の髪の少女」は、昨日のHCB展で
この絵がピカソのアトリエに置かれている写真を見たばかりだったので、
ちょっとビックリ。ピカソが最初に買い上げたのでしょうか??

最後に2Fの企画展コーナーへ。
常設展の作品が濃いせいか、企画展のアンドリュー・ワイエス
印象が薄くなってしまいました。もともとあっさりとした感じの絵ではあるけど。
こっちを先に見ればよかったかな。

予想以上の充実ぶり。また出かけてみたいと思います。
(たくさん歩かずにすむしね!)