ひそかにフェティッシュ

弘法筆を選ばず、という言葉があるが、私はカタチから入る典型的なタイプで、
文房具(特に筆記具)はかなりこだわって選ぶほうだ。

このブログとは別に、日々思うことをノートにつらつら書き留めているのだが、
それにはクロスの「クラシックセンチュリーⅡ」シリーズの、深いブルーのボディに
スターリングシルバーのキャップをあしらった細身の万年筆を使っている。
去年の秋、青山の書斎館に立ち寄った際に一目ぼれしてしまい、
細字を書くためにメーカーからEFのペン先を取り寄せてもらったもの。

日本語(漢字)を書くという用途には、本来は国産メーカーの方が書き易いのだけど、
私は「ペンを手にする」「書く」という行為自体を楽しみたかったので、
それには、気に入ったペンを使う方が長続きしそうな気がしたのだ。

この「クラシックセンチュリーⅡ」に、その日の気分に応じて
カランダッシュの「ブルースカイ」か「カリビアンシー」を詰め替えて
カリカリするのがここ半年の気分転換になっている。
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ペン本体とインクは同一メーカーで使ったほうがいいというけれど、
これで10年の寿命が7年に縮まったとしても、
お気に入りのペンに空の色を溶かし込んだようなインクを詰めて、
自分の言葉を紡ぎ出せるのなら、
その方がどれだけ心を豊かにしてくれることかと思う。

夏休み三日目。
ノートがまた少し、青い文字で埋まってきた。