フォーレ歌曲集(スゼー)

君は私を呼び、私は地上を離れて、
君と一緒に逃げていった、光の方へ、

だが何ということだ、このみすぼらしい夢の目覚めよ!
私はおまえを呼ぶ、おお夜よ、返してくれ、おまえが織り上げたあのいつわりを、
戻って来い、戻って来てくれ、輝かしい人よ、
戻って来てくれ、おお、神秘なる夜よ!
                (「夢のあとで」ロマン・ビュシーヌ編)


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どうやらこの夏は、フォーレにどっぷり浸かりこむことになりそうだ。

昨日から待ちに待った夏季休暇に入り、図書館やAmazonから調達してきた本を傍らに、
これまたAmazonでかき集めたフォーレのCDを片っ端から聴いてのんびり過ごそう♪

目下、一番のお気に入りはジェラール・スゼー(バリトン)の「フォーレ歌曲集」。
フォーレの歌曲は、ヴェルレーヌやプリュドムの詩をベースにしているので、
歌い手もやっぱりフランス人じゃなくっちゃあ、と思って探したのだが、
フランス人歌手のCDって案外見つからないものですね。
そんな中、比較的手に入りやすいスゼーのCDはすばらしい。
彼の声は、バリトンにしてはやや高めで柔らかいのだけど、私にとっては
とても聴きやすい。「月の光」や「ゆりかご」などは、甘く叙情的でありながら
抑制の効いたまろやかな歌い方で、真夏の夜の夢を垣間見せてくれます。
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お気に入りの曲は繰り返し聞いてしまう、と書いていたブロガーさんがいたけど、
私のリピート曲は「月の光」。
珍しくピアノ伴奏の主張の強い曲という意味では、シュトラウスのMorgen(明日)を
連想させてしまうけれど、バリトンとの掛け合いがなんとも繊細絶妙な名演。
今夜はいい「夢」を見られそうです。