長岡駅「長岡銘品の館 ぽんしゅ館」辛口端麗なる探訪記

f:id:lyncis:20190812171018j:plain

駅構内で、しかもワンコイン(500円)で地酒の飲み比べができる「ぽんしゅ館」が長岡駅改札前にできたのは2年ほど前でしょうか。

旅先や都内での一人飲みには全く抵抗のない私、帰省のたびに気になりながらも、さすがに地元での一人立ち飲みはなにかと面倒くさくて横目で素通りしていたのですが、今年は長岡花火(8月2日、3日)の前に夫と帰省していたので、地元立ち飲みデビューのチャンス到来!!いや~結婚してよかった♪(←そこ?) 

 

以下、酒呑み地元民・やまねこによる、辛口端麗なるリポートです。

 

「ぽんしゅ館」といっても、呑兵衛だけをターゲットにしたわけではなく、入り口付近にはお菓子やノンアル飲料、化粧品など、飲めない人や女性にもアプローチした商品が前面に出されていて、店の奥に進むにつれて酒飲みを誘い込む陳列構成になっています(笑)。

長岡花火当日の駅周辺は激烈に混雑するので、前日のうちにお土産を調達した方が賢明ですね。

 

f:id:lyncis:20190812180720j:plain

明らかに観光客向けのラインナップですが、地元民目線で「へぇ~ウチにはこんな『ご当地品』があるんだねえ」的な商品があったりして、なかなか楽しいです。
醸造のまち」で知られる長岡市摂田屋の醤油を中心とした「利き醤油コーナー」とか。

 

f:id:lyncis:20190812171109j:plain

いよいよ未成年立入禁止ゾーン「越後乃酒蔵 唎酒番所(えちごのさかぐら ききざけばんしょ)」。

 

f:id:lyncis:20190812172829j:plain

部屋に一歩入ると、ずらーっと並んだ利き酒マシーン。
きちんと数えたわけではないですが、ゆうに111種類はあるそうです。

前払い500円で、コイン5枚分とミニサイズのお猪口(通常の1/2サイズ位)を出してくれるので、あとは好みの銘柄の利き酒マシーンにお猪口とコインをセットしてボタン押すだけ。というシンプルなシステムです。


私が見た限りではほとんどのお酒がコイン1枚で飲めるようなので、最大5種類の地酒が利き酒できるというのが売りのようです。ただ、この価格帯のお酒で正味お猪口2.5杯分が500円というのは、いい商売しているなあ~という気もします。 

 

新潟県の酒蔵数は日本最大の89蔵。そのほとんどが長岡市を含む中越地方にありますが、流通量が少ないため県外にはまず出ない銘酒も多々あるので、そうした蔵元にとっては、この利き酒システムは宣伝の場になるのかもしれませんね。 

f:id:lyncis:20190812171219j:plain

高の井酒造(小千谷市) 「越の初梅 雪中貯蔵」
今回買ったお酒がこれ。いわゆる端麗辛口のなかでもやわらかめ、緑川にちょっと似ていてスイスイ飲めちゃうといえばイメージしやすいかも。

 

f:id:lyncis:20190812173200j:plain

尾畑酒造(佐渡市) 「真野鶴」
最初に「越の初梅」を飲んだせいか、辛さがはっきり感じられるお酒。脂の乗った魚料理に合うかも。

 

笹祝酒造(新潟市) 「笹祝 端麗純米酒
端麗といっても、味わいが濃い目な印象が強い。

 

f:id:lyncis:20190812173227j:plain

越後鶴亀(新潟市) 「ワイン酵母仕込み」
いわゆる「ここでしか飲めないお酒シリーズ」としてセレクト。一口飲んで、強烈な葡萄の匂いが鼻に抜ける個性的な味わい。新潟市にはカーブドッチ(ワイナリー)があるから、そこの酵母を使ったのでしょうか?これに合わせるとしたら…う~ん、赤身の肉料理かな??

 

f:id:lyncis:20190812173311j:plain

利き酒マシーンの反対側の壁には、やわらぎ水(冷水器)と世界各地の利き塩コーナーも。

 

「唎酒番所」を出れば気に入ったお酒や肴がひと通り買えて、そのまま改札に直行できるので、観光客には便利な立地条件ですが、そこそこ以上のクラスのお酒は(見た限りでは)置いてないですね。
地元民としては「このロケーションじゃ、駅一階の「あさひ山」(朝日酒造)や「横山」の売上を持っていかれるだろうなあ」という懸念も覚えたのでした。

 

f:id:lyncis:20190812180752j:plain

はっきり書いちゃうと、「ぽんしゅ館」は観光客・インバウンド向けのお店。

立地は最高だから、良くも悪くもお客が集まりやすく、新幹線待ちには便利だとは思います。

 

ただ、今までそれなりのお酒を嗜んできた(と自負している)私があえて踏み込ませていただくと、クオリティの高い通好みな地酒や海産物加工品を買うなら、一階の「あさひ山」「横山」や「加島屋」がお勧めです。

 

「あさひ山」にも『久保田』『雪峰』などの飲み比べができる立ち飲みコーナー(さすがにワンコインじゃないけど)があるので、日本酒をまったく知らない人こそ最初にいいお酒を味わってほしいですね。
「横山」は、酒豪で有名な(?)今上天皇が当地のご公務の際に立ち寄られたお店の支店だけあって、通好みの地酒も置いてあります。店主に好みを伝えれば、意外な掘り出し物を教えてくれることもありますよ。

 

 自分へのお土産には、「横山」でお酒を買って、スーパーで生鮮食品を調達して帰ることが多いです。本当においしいお酒は、軽く塩をふっただけの新鮮な蒸し野菜にもよく合いますよ。