ラヴェルの夜

金曜の晩、久々にN響定期公演へ。
ALLラヴェル、しかも「ダフニスとクロエ」が演奏されるというので、
原宿駅からはタクシーで駆け込みましたが、
期待以上の楽しい演奏でした。

この日のプログラム
組曲マ・メール・ロワ
・ピアノ協奏曲ト長調
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)※
指揮:アンドレ・プレヴィン ピアノ:ジャン・イヴ・ディボーデ
※1stフルート:神田寛明

アシュケナージ音楽監督に就いてから数年間、
N響の音が軽い、というか薄っぺらくなったような気がしていたのですが、
この晩の音は軽やかで柔らかく、温かみを感じさせました。
テンポはややゆっくりめ。
一時間近い大曲「ダフニス」もゆったりした気分で楽しめました。

生演奏だと、ラヴェルが各楽器をいかに効果的に使っているのか、
改めてよくわかります。
ウィンドマシーンなる楽器もようやく見ることができました。

出演者の名前に首席フルート奏者を入れたのは、
「ダフニス」の終盤『夜明け』に、長く素晴らしいソロがあるから。
神田さんの笛は、決してキラキラした華やかなタイプではないのですが、
柔らかく爽やかな音。
「ダフニス」のソロも、夜明けの澄んだ空気のような気持ちのいいものでした。

この曲はフルート2、ピッコロ1、アルトフルート1という編成なので、
フルートはほぼフルメンバーでの乗り番
印象的だったのは、アルトフルートの音がクリアに聴こえてきたこと。
NHKホールのような「紅白」仕様だと、
いつもはストラヴィンスキーなどでこの楽器を使っても
せっかくのソロが活かしきれてないように思えるのですが、
この晩はアルトフルートの温かな音色を堪能することができました。

それにしても、フルートの素材が全員バラバラなのにはビックリ。
神田さん:木フルート/甲斐さん:金フルート/
菅原さん:金ピッコロ/細川さん:銀アルトフルート