宝生会月並能

一ヵ月半ぶりで、お能を観に行ってきました~♪

能「小督」  シテ:辰巳満次郎
狂言「船渡聟」シテ:大蔵彌太郎 
能「井筒」  シテ:中村孝太郎
能「阿漕」  シテ:佐野登
(詳細はこちら↓)
http://www.hosho.or.jp/nou/2007_10/tsukinami.html

午後一時から六時までの能楽漬け、さすがに疲れました。
気分はまるで「芋粥」の主人公・・・。

今回のお目当ては、辰巳満次郎さんの「小督」。
8月の夜能会「芦刈」では直面でしたが、今回も直面。
同じ能楽師で2回連続直面を観るというのも珍しくないですか?
今日の辰巳さんは重々しさが前面に出ているという印象。
非常に直線的というか男性的な仲国でした。
「芦刈」でもそうだったけど、
辰巳さんの男舞は、緩急のメリハリが実に絶妙で、
心地よい緊張感を味わわせてくれました。

「井筒」は、中入り後が面白かった。
まるで入れ子(または合せ鏡)のような構造を持った曲だと思いました。
ひとつの舞台上で、いくつもの時間を同時に見せてくれているようです。

見所の時間 < ワキの時間< 井筒の歌の時間< 幼い二人の時間> > >

男のシテが「男装する女性」を演じる、という構造自体が既に入れ子ですね。
現在と過去、男と女、見るものと見られるものを反転させる装置として、
井戸(水鏡)が重要な役割を果たしている、と思いました。
シテも優雅で、うっとり。

「阿漕」は、できれば夜能会などの上演時間の短いプログラムで
集中して一気に観たかったです。(間狂言で寝てしまった・・・)
後半、亡霊が苦しむ場面は不気味で陰惨で、
「密漁したくらいで、こんな目に遭わなきゃいけないの?」
というくらい救いがない曲でした。

それにしても、
ある意味一番印象的だったのは見所のマナーの悪さ!
それもお年を召した方ばかりなので、正直驚きました。
開演後に入ってきて通路をウロウロする、
上演中に声も潜めずしゃべりながら連れ立って席を移動する、
周囲の迷惑だし、出演者の方に対しても大変失礼だと思います。
いつもこんな感じなのでしょうか?

有料の公演なのだから、会場関係者の方にはきちんと対応していただきたいです。