降雪センサー?!

生まれ育った土地によって、その人の「冬」のイメージは違うらしい。

国文科の学生だった頃、
お世話になった国語学の教授(秋田出身)が、
毎年この季節になると、雪国育ちの私にこう言ったものでした。
「山猫さん、雪のない東京の冬は、冬が来た気がしないですよね」

当時の私は、冬の長い豪雪地帯から脱出できたばかりだったので、
「はぁ?」という感じでしたが、今は教授の気持ちがわかるなあ。

上越新幹線からホームに降り立った瞬間、
肺の底まで洗うような、しっとりと冷たい空気を吸い込んではじめて、
「あー帰ってきたなあ」と実感できるのです。
他の季節ではあまりそういうことはないから、
それだけ、冬は他の土地との差異が際立つのかもしれません。

あと、東京に出てはじめて気がついたのは、
「もうすぐ雪が降るのを察知できるセンサー」を自分が持っていること。

空気の密度や匂い、音の振動の微妙な変化で、
窓やカーテンを閉め切っていても雪が降っているのがわかるし、
30分以内に雪が降るのもわかる。
周囲の新潟県出身者からも似たような話は聞いているし、
藤沢周さん(新潟市出身)も、エッセイで同じことを書いてたから、
これは雪国出身者に特有の能力か?と思います。
サンプルが少ないので、断言はできませんが、
気象庁の予報なんかよりよっぽど使えるんじゃないでしょうか?!

新潟県人を束にしちゃえば、鉄道・航空各社は冬場の遅延欠航対策が打てるのでは?