田舎のネズミ、故郷に帰る

タイトルどおり、昨日から新潟の「本宅」に帰ってきています。
ホームを降りた瞬間、肺の底まで洗うような冷たく湿った空気に
「ああ帰ってきたんだなー」と実感。

昨日は、上野でムンク展観てから帰るつもりでいましたが、
部屋の掃除したり、郵便局で配達停止の手続きをしているうちに、
なんだかかったるくなってきて、やめてしまいました。
暮れにムンク・・・しかも上野の雑踏に出て・・・そんな気分にはとてもなれず。
そのかわり、丸善で新刊とアートコーナーをチェック。
予想(期待)通りごっそり買い込んで新幹線に乗り込みました。

・・・・・・
夕方から降り出した雨は、未明には雪に変わりそうな気配。
「春の雪」は、清顕と聡子が庭園で鉢合わせするところまで読みました。

少なくとも恋愛小説に関していえば、
最近の小説は題材や設定が卑近すぎて読めたもんじゃない、
恋の妄想をかき立てるに必要なファンタジーや洞察力が貧困だと思うのです。
その点、三島の小説はまるで精巧な箱庭のように完成された世界なので、
思う存分、絢爛豪華な「宿命の恋」に浸れるでしょう。

恋愛小説なんて、いかに「やつし読み」(登場人物に身をやつして読む)を
楽しめるかが、面白さのバロメーターじゃないかと思いますね。
どうせ読むなら、このくらいのスケールじゃなきゃつまらない。