雪のお正月 -「春の雪」と「ルートヴィヒ」-
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いいたします。
今年は、新潟でも数年ぶりの雪のお正月を迎えました。
雪の新年にふさわしく、
今年一番のブックレビューは、三島由紀夫の「春の雪」。
「豊饒の海」四部作の第一巻です。
ちょっと前の映画をご覧になった方も多いかと思います。
維新で功をなした振興公爵家の嫡男・松枝清顕と
没落貴族の伯爵令嬢・綾倉聡子の
ついに成らない恋の物語。
今年一番のブックレビューは、三島由紀夫の「春の雪」。
「豊饒の海」四部作の第一巻です。
ちょっと前の映画をご覧になった方も多いかと思います。
維新で功をなした振興公爵家の嫡男・松枝清顕と
没落貴族の伯爵令嬢・綾倉聡子の
ついに成らない恋の物語。
最近、斜に構えるクセがついていかんなー、
と思ってますが・・・。
正直いって、ストーリー自体は時代がかった少女漫画そのものです。
相思相愛でありながら、
聡子が宮家と婚約して「禁忌の人」となってはじめて
彼女を本当に恋するようになる、
という人工的なオハナシ。
後半は聡子の懐妊→中絶→出家→絶望した清顕の夭折、
と韓流ドラマもびっくりの展開ですが、
そんな陳腐なストーリーを最後まで読ませるのは、
テクストを支える(三島独特の)論理性と、骨組みのしっかりした構成。
そして、映像的な描写の美しさ。
はやくも2合目あたりで、雪の朝の逢瀬というハイライトがくるので、
その後の、清顕にちっとも共感できない自分との戦いがしんどいですが(笑)。
でも6合目を超えれば先述の愁嘆場なので、あとはエンジンブレーキでOK。
まあ、きばって読んだ甲斐はありました。
読み終わる頃には、第二部「奔馬」の文庫買いに走ってましたから(^^;)
と思ってますが・・・。
正直いって、ストーリー自体は時代がかった少女漫画そのものです。
相思相愛でありながら、
聡子が宮家と婚約して「禁忌の人」となってはじめて
彼女を本当に恋するようになる、
という人工的なオハナシ。
後半は聡子の懐妊→中絶→出家→絶望した清顕の夭折、
と韓流ドラマもびっくりの展開ですが、
そんな陳腐なストーリーを最後まで読ませるのは、
テクストを支える(三島独特の)論理性と、骨組みのしっかりした構成。
そして、映像的な描写の美しさ。
はやくも2合目あたりで、雪の朝の逢瀬というハイライトがくるので、
その後の、清顕にちっとも共感できない自分との戦いがしんどいですが(笑)。
でも6合目を超えれば先述の愁嘆場なので、あとはエンジンブレーキでOK。
まあ、きばって読んだ甲斐はありました。
読み終わる頃には、第二部「奔馬」の文庫買いに走ってましたから(^^;)
ところで、雪の朝の逢瀬のシーンを読んでいて唐突に、
ヴィスコンティの「ルートヴィヒ」(1972作)で、
狂王ルートヴィヒとオーストリア皇妃・エリザベートが
雪の夜、並んで馬を駆りながら語り合う場面を思い出しました。
(ヘルムート・バーガーとロミー・シュナイダー、美しすぎ!!)
絶世の美男美女のカップル、
女は禁忌の存在(皇妃)、
愛してもいない人との婚約と破局、
男同士の愛情関係、
主人公の狂死、
という設定も驚くくらいそっくりです。
ありがち、といえばそれまでなんだけど。
ヴィスコンティの「ルートヴィヒ」(1972作)で、
狂王ルートヴィヒとオーストリア皇妃・エリザベートが
雪の夜、並んで馬を駆りながら語り合う場面を思い出しました。
(ヘルムート・バーガーとロミー・シュナイダー、美しすぎ!!)
絶世の美男美女のカップル、
女は禁忌の存在(皇妃)、
愛してもいない人との婚約と破局、
男同士の愛情関係、
主人公の狂死、
という設定も驚くくらいそっくりです。
ありがち、といえばそれまでなんだけど。
ヴィスコンティの作品も、独特の美意識と論理性
(だけ)で創られた世界なので、
三島と似ているといえば、似てるかもしれない。
ノイシュヴァインシュタイン城の、悪趣味と紙一重の大仰なセットも
くどいくらい映像的な三島の文章と通じるものがあるなーと思いました。
あの人たち、きっと同じ星の住人なんだろうな(笑)
(だけ)で創られた世界なので、
三島と似ているといえば、似てるかもしれない。
ノイシュヴァインシュタイン城の、悪趣味と紙一重の大仰なセットも
くどいくらい映像的な三島の文章と通じるものがあるなーと思いました。
あの人たち、きっと同じ星の住人なんだろうな(笑)
三島が割腹自殺をしたのは1970年、「ルートヴィヒ」製作の前ですが、
もし三島がこの映画を観ていたらどう思ったのか、興味深いところです。
もし三島がこの映画を観ていたらどう思ったのか、興味深いところです。
(新年だからキレイに決めよう!と思ってたら、お耽美系に走ってしまった・・・)