冬の金沢へ-金沢能楽会 1月定例能-

1月4日(金)から6日(日)まで、
長岡からの帰京ついでに二泊三日で金沢に行ってきました。
金沢滞在記については、時間のあるときにあらためて。
印象が薄れないうちに定例能だけ先に書いておきます。

☆金沢能楽会 1月定例能
 ・能「弓八幡」 :島村 明宏
 ・仕舞「西王母」:佐野 由於
 ・狂言「鶏聟」 :炭  哲男
 ・能「草紙洗」 :高橋 右任


大きな書店に行けば謡本コーナーがあるくらいの土地柄だから、
定例能は席が埋まるかなあ、という予想に反してアッサリ席を取れました。
それもほとんど社中の方々ばかりで、あちこちで「あけおめ」コール。
隣の席のオバサマに
「あら、あなたも習っていらっしゃるの?先生はどなた?(見かけない顔ねー)」
と聞かれましたが、さすがに水道橋より謡本の所有率は高かったです。
習ってない人は外国人くらい?あ、でも私も似たようなものか(^^;)

初詣(「弓八幡」)、は歌会始(「草紙洗」)がテーマでお正月らしいプログラム。
若手の方の、黒紋付に濃いブルーの裃も、新年にふさわしく清々しい感じ。
「弓八幡」の地謡の中に、『院生能楽師の日記』のgenさんのお姿を見つけてびっくり。
修論提出直前でも、出番なんですね(しかも金沢で)・・・。
舞台の世界って厳しいーー!

今回、一番よかったのは佐野由於さんの仕舞(genさんのお父様です)。
10月の「女郎花」でも、なんてやわらかい舞いさばき、と見とれたけれど、
扇を持った手の動きなんか、すーっと流れるようにきれいでした。
短いながら、曲の内容や演者の個性がギュッと凝縮されているという感じ。
能だけじゃなくて仕舞もいろいろと観てみたくなりました。

「草紙洗」のストーリー自体は、
女性総合職が大きなプレゼンで足引っ張られて・・・ってドラマで見たぞ(笑)
というか、このテの話っておおよそパターンが完成されてるんでしょうね。
草紙を洗う山場にはもうちょっと緊張感がほしかったかなあ。
子方が登場する曲を観たのは初めてでしたが、まだ低学年くらいの稚い男の子が
帝の装束姿であらわれると、場が華やかになりますね。
大人の男性陣に囲まれてるだけに、はかない感じも漂うというか。
(子方との対比で、まわりの人が無骨なオジサンに見えちゃう副作用もあるけど・・・)
小町の移ろいやすい美しさと並列させる効果を出すためなのかな、と思いました。
お囃子は、夏の「半蔀」と同じ顔ぶれ。
夏と同じく、住駒さんの まっすぐでさわやかな小鼓に好印象。
この方の鼓は、もう少しきびきびした早めの曲で聴いてみたいと思いました。

終演は16時半。直近の羽田行が19時半だったので、22時すぎに帰宅。
さすがに疲れました~~。
でも、一年の始まりをこんなに清々しい気分で迎えられて本当によかったです。
今年はいい年になるかも!