月並能

この半年間、宝生流しか観ていなかったこともあり、
局地的に「今年は他流も開拓する!」と宣言していたのですが、
その舌の根も乾かぬうちに行って参りました、月並能(^_^;)
そろそろ他にも~と思っている時に限って、「羽衣」とか観たい番組が(笑)
まぁ今年はあと10ヶ月以上もあるんだし、なんとかなるでしょ!

☆宝生月並能
http://www.hosho.or.jp/nou/2008_02/tsukinami.html
能「竹生島」  シテ:前田晴啓
狂言「鞍馬参り」シテ: 善竹十郎
能「羽衣」   シテ: 佐野萌
能「草薙」   シテ: 田崎隆三

本日は、神様づくしのプログラム。
(「竹生島」「羽衣」=天女、「鞍馬参り」=多聞天、「草薙」=日本武尊

竹生島」は、後見が5人もいるので、一体どんな舞台?と思っていましたが、
断崖絶壁の島と舟の作り物があるために、人数が必要なんですね。
5メートル四方の舞台に20人近く(最大23人)も出演していて、
その上作り物ふたつも置くんですから、面をかけたシテは舞いづらくないのかしらん。
出演者がどんどん増えてくるので、そういうツマラナイことが気になってしまう(笑)
その割に、見所からは狭苦しくは見えなかったのですが。

本日のお目当て・「羽衣」は、しっとり落ち着いた舞台でした。
いろんな本で、天女が袖を高々と翻している写真がよく使われているせいか
もっと動きの激しい曲かと思っていたので、意外でした。
狂言がない曲、というのも初めて。特別な曲なのかな。
舞衣も縫箔もゴールド系で、とても上品で華やか。
後姿は、羽化したばかりの蝉が羽を広げた姿のように見える。
舞を見せる前に羽衣を返しちゃったら、逃げるんじゃないの?と言う漁師に
「いや疑いは人間にあり、天に偽りなきものを」さらっと、でもキッパリ答える天女。
このひと言で天と人間界(地上)の和解というか、協調が生まれるところが
この曲の本当の美しさかもしれないなあ、と思いました。

「草薙」は、古事記草薙剣」のお話。
狂言がオロチ退治の話をしてるくだりで、日本武尊スサノオがごっちゃに(><)
「あれ?姫の名前はクシナダヒメじゃなかったっけ?」
と余計なことを考えているうち、5分くらい意識が飛んでしまいました・・・。
後シテの舞はノリがよくて楽しかったです。
この男神は「絵馬」に似ているけれど、重厚な舞という感じでした。
囃子方のノリもよかった(そのせいか、びっくりすることが↓)。
柿原さんは、以前からメリハリのきいた大鼓だなーとチェックしてたので、
住駒さんと並んでお名前を見つけてから、お囃子楽しみにしていました。
大小鼓の、長く引いた掛け声と鼓の息がぴたっ!と合う瞬間は、何度聴いても気持いい。
太鼓が追い討ちをかけるように(?)、スコーンと決めてくれるのもGJ(^-^)

びっくりしたのは、後シテのお囃子で
隣の席のおじいさんが、お囃子につられて勝手に拍子を打ったり、
そのうち足拍子を踏み始めちゃったこと!キャー、やめてーー!!(><)
見所で足拍子踏み鳴らす人なんて初めてです!
注意させていただきましたけど。
座席がゆっさゆっさと揺れた時には、何が起きたか(発作?!)と思いました(笑)