美の壺-「鼓」-

とっくに放送しちゃった番組の話で恐縮です。

8日(金)夜、教育テレビ『美の壺』で「鼓」を取り上げること、
しかも小鼓は大倉源次郎さん、と知って
留守録しておいたのを昨日ようやくチェック。
源次郎さんてば、今月号の「CREA」(女を鍛えるお稽古道)にも出てますね☆


25分程度の番組で、よくまとめてるなあと感心させられる内容でしたが、
一番インパクトがあったのは、昔の職人さんの技!
鼓の胴体部分(鼓胴)の中が完全にシンメトリックな砂時計型にくり抜かれています。
コンマ5㎜狂っただけで、音に影響するそうです。
しかも、江戸時代の鼓には、空洞の壁面に「知らせがたな」という紋様(青海波やさざ波)を、
穴(直径25mm)を貫いて彫ってあるのだから驚きです。
機械のない江戸時代に、こんな凄い技術が完成されていたんですね。

あと、小鼓方が鼓に息を吐きかけたり、革に唾液つけて湿らせている様子も
ズームで見られて、すっきりしました。日頃気になってしょうがなかったので(笑)
それにしても、革(馬)・鼓胴(桜)・調べ緒(麻)と100%天然素材とは。
演奏のたびに革を焙じたり(大鼓)、湿らせたり(小鼓)するだけでも大変なのに、
日頃の管理なんかはさぞや・・・金属製フルートってつくづく楽だなぁー(^^;)


番組の後半で、大倉源次郎さんと亀井広忠さんが
船弁慶」の波頭を演奏されていましたが、
笛も謡もないのに、とってもメロディーを感じさせる演奏でした。
お囃子聴くと、西洋音楽とは打楽器の担う役割が違うんじゃないか?と思う。
リズムだけではなくてメロディパート(の、かなりの部分)を担っている?

オーケストラの打楽器奏者は、一人何役もこなすせいか、
奏者個別のカラーを前面に感じることはあまりないのですが(え、私だけ?)
鼓方は、同じ楽器・同じ流派でも、くっきりはっきり個性が違う!
源次郎さんの鼓、12月に一度聴いただけですが
キリッとひきしまった美音を久々に堪能いたしました♪

NHKの文化系番組、当たり外れは激しいけど
和風系は結構いいもの企画してますね。「にほんごであそぼ」とか。
N響アワー」、しっかりしてくれー(笑)