オヤスミナサイ

こないだN響で聴いたオンド・マルトノ奏者 原田節さんのCD、
アマゾンで買っちゃいました♪

☆「オヤスミナサイ」原田節
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「月」をテーマにした作品集。
収録曲の半分以上は原田さんのオリジナル曲です。
一曲目の「満月」、さわやかな風がさぁーっと
吹き抜けていくような清涼感あふれる出だしです。
私の大好きなフォーレの歌曲「月の光」も
マルトノとオーボエ、アンティックギターに編曲されて
幻想的な雰囲気に変わっていました。

「トゥランガリ交響曲」のときは、
ホールの音響のせいか、オケに埋もれてかろうじて
ポルタメントばかりが耳に残ったマルトノだけど、
ソロで聴くと笛のような、パイプオルガンのような、
風を感じさせる温かくやわらかい響きなのにビックリ。
電子楽器といっても、シンセサイザーとは全然違う音。
もっと、人間の生理に近い楽器、という感じです。

もともとこの楽器、第一次大戦中に通信技師だったモリス・マルトノが
真空管の響きをヒントに発明したもの。
いってみれば、戦争が生み出した楽器なんですねえ。
1928年の公開初演奏以来、大きな改良はほとんど加えていないそうです。
忌まわしいものからでも美しいものを創造してしまう、人間の営みにも驚かされるけど
この楽器が80年間生き残ってきたことは、ほんとにすごいと思います。

原田さんのサイトの「インターネットコンサート」も
宇宙をイメージさせるタイトルの曲が多くて
きっと、原田さんもマルトノの響きに宇宙の広がりを感じたのかなあ。
私は「黒点観測」が特に気に入って何度も聴いたけれど、
雨あがりの夕暮れのような、ふわーっとした懐かしい空気感の漂う曲。
なんだか、ひさびさに「銀河鉄道の夜」を読み返したくなってきました。