歌舞音曲・追加公演 (紀尾井ホール)

☆歌舞音曲 シリーズ「歌」Vol.11(6月5日)
素囃子「道成寺組曲
   笛:一噌隆之、小鼓:大倉源次郎、大鼓:亀井広忠、太鼓:助川治
舞囃子「融」酌之舞
   シテ:谷本健吾、地謡山崎正道・味方玄・川口晃平
   笛:一噌幸弘、小鼓:吉坂一郎、大鼓:亀井広忠、太鼓:助川治
舞囃子「安宅」延年之舞
   シテ:観世喜正、地謡山崎正道・味方玄・川口晃平
    笛:一噌幸弘、小鼓:大倉源次郎、大鼓:亀井広忠
大鼓一調「勧進帳
   謡:山崎正道、大鼓:亀井広忠
居囃子「松風」
   シテ:観世喜正、地謡山崎正道・谷本健吾・川口晃平
    笛:一噌幸弘、小鼓:吉坂一郎、大鼓:亀井広忠
舞囃子「邯鄲」盤渉
   シテ:味方玄、地謡:観世喜正、谷本健吾、川口晃平
    笛:一噌隆之、小鼓大倉源次郎、大鼓:亀井広忠、太鼓:助川治


昨夜は紀尾井ホールへ お囃子聴きに行ってきました☆

昨日の公演、実は「本公演」は来週なんです。
演者のスケジュールの関係上、追加公演が先になったとか。
なので、演者の顔ぶれからもある程度は予想していたのですが
客層が いつも能楽堂で見かける人たちと全っ然違いましたねー。
会話からして、野村萬斎とか大倉源次郎とか亀井広忠あたりのファンとみた。
そのせいか、全体的に華やいだ雰囲気でした。

で、肝心の演奏は、と、いいますと・・・・・・。

うーん、キャパ800人の洋楽ホールに、お囃子はちょっと・・・。
残響の問題をうっかり忘れてたよ~。
一曲目の「道成寺組曲」冒頭で、大鼓一打ちした瞬間、ホールの天井がカッキーーーン。
能管はまだしも、鼓のような屋外や能楽堂での演奏を前提とした打楽器は、
音がほどよく拡散していかず、残響でじわーっとにじんでしまって聴きづらかったです。
MCつとめた大鼓方のK氏も 音のことにはちょっとふれていたけど。
紀尾井には邦楽専用ホールがあるんだから、そっちでやってほしかったなー。
ま、キャパの制約もあるし、これは主催者側の問題なんだろうけど。

演奏そのものは、さすが気鋭の囃子方シテ方揃いだけあって、端正でした。
素囃子、居囃子、舞囃子と、いろいろなスタイルで演奏してたけど、
舞囃子が一番たのしかったなあ。目の前で舞われると、お囃子ものってくるのかも。
観世喜正は「安宅」を相当こなしてるらしく、跳躍も数珠さばきも任せて!という感じ。
あれだけ高くジャンプして、上体が全然ブレないのはすごい。能で観てみたい。
「邯鄲」シテの味方さんの舞も、なかなかきれいでした。
観世流の謡を聴くのは初めてでしたが、宝生流喜多流より「歌う」感じがしました。
なんというか、メロディラインや抑揚がすごくはっきりした謡い方です。
音程は喜多と同じく、やや高めでトーン明るめ。
お流儀の違いって、謡に出やすいのかなあ?舞の違いなんか全然わからないけど。
あさって観世能楽堂に行ってくるので、しっかり聴いてきます!


今回の教訓(私の中で)。


やっぱり、お囃子は能楽堂で、オーソドックスな能のスタイルで聴こうっと。


楽器に合った器で、シテ方地謡と共演してこそ、お囃子の魅力が活きてくると思います。
素囃子よりは舞囃子の方が、彼らの演奏が生き生きとしてたように感じられました。
でも、帰り道で興奮冷めやらぬ様子の人たちも結構見かけたから、
要するに、この舞台の趣旨と、私の求めるものが本質的にズレてるだけ、って気がする。


それから、







MCで、直前の演奏でのミスをうまくごまかしたことなんか、ペラペラしゃべるのはちょっと・・・。
確かに気づかなかったけどね、そんなの当たり前でしょう。「プロ」なんだから。
素人にバレるようなミスしちゃう囃子方もどうかと思うけど、
ミスを恥じない囃子方なんて もっとイヤだなあ。