ソフィア・リサイタル

昨日は、大学時代の友人と渋谷に飲みに行きました。
私は食べ物の好き嫌いがないので、何でもよく飲み食いする人って楽しいです。
梅酒を6種類も置いてある和食の店で、調子に乗って麦、梅、梅と続けたら
頭が痛くなりましたねえ・・・(^_^;)

さて、その渋谷で久々にタワーレコードに行ってきました。
最初は友人がCD買いたいというのにつき合ったのですが、
結局私の方があれこれ物色してしまい、相手を待たせるはめに・・・^^

その一枚がこれ。
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スヴャトスラフ・リヒテル「ソフィア・リサイタル」

1958年に、ブルガリアで行われたリサイタルのライブ録音です。当時は冷戦の最中で、リヒテルは西側で「鉄のカーテンの向こうに凄い天才ピアニストがいる」と言われた『幻のピアニスト』でした。
この録音は西側に最初に伝わったもので、すごいセンセーションを引き起こしたそうです。

収録曲
ムソルグスキー展覧会の絵
ラフマニノフ前奏曲第23番嬰ト短調作品32の12」
シューベルト「楽興の詩第1番ハ短調
シューベルト即興曲第2番変ホ長調D.899の2」
シューベルト即興曲第4番変イ長調D.899の4」
ショパン「練習曲第3番ホ長調作品10の3<別れの曲>」
・リスト「忘れられたワルツ第1番嬰ヘ長調S215の1」
・リスト「忘れられたワルツ第2番変イ長調S215の2」
・リスト「超絶技巧練習曲第5番変ロ長調S139の5<鬼火>」
・リスト「超絶技巧練習曲第11番変ニ長調S139の11<夕べの調べ>」

50年前の録音だから、確かに音質は良くないけれど・・・
タイムスリップしてこのリサイタル、聴きに行きたかったです。

圧巻はなんといっても展覧会の絵

展覧会の絵」は、ラヴェル編曲のオーケストラヴァージョンが有名だけど、
私はオリジナルの方が、曲の持つ翳りや土の匂い、生命力を感じさせて好きです。
いかにもロシアの大地から生まれた曲です!って感じがするので。
だからキレイなだけor元気いっぱいなだけの演奏に当たると不満があったのですが、
このリヒテルの演奏は、私が今まで聴いた中でダントツ!文句ナシ!!でした。

ところどころミスタッチがありましたが、そんな瑕疵は問題にならない次元の演奏です。
リヒテルは12度程度なら楽に押さえられるほどの大きな手をしていたそうですが、
そんなエピソードも納得できるような、若々しく力強い演奏です。
全般的にテンポがかなり速めなこともあって、グイグイ引っ張られていく感じ。
こう書くと、なんかパワフルなだけみたいにとられそうですが、
抒情的な第4曲「古城」では繊細な翳りも味わわせてくれる。
なんといっても後半の「バーバ・ヤーガの小屋」から終曲「キエフの大門」まで
まるでコロナのような熱さ、スケールの大きさに圧倒されましたねー。
この大曲のすぐ後に、ラフマニノフ前奏曲を持ってくるなんてニクイです!

高校生の頃、リヒテル×ロリン・マゼール×パリ管弦楽団の録音(EMI)で、
ブラームスピアノ協奏曲第2番を聴いて、すごーく感動したのをよく憶えています。
日本にも、それも地方都市にも結構来ていたそうで、
うちの両親はなんと長岡で(!)晩年のリヒテルの生演奏を聴いたんだそうな。
うぅ、うらやましい~。

ところで、使用楽器はヤマハだったんでしょうか・・・?(@プロジェクトX)