「源氏物語」の切手

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源氏物語一千年紀にちなんだ記念切手が発売されたので、
近所の郵便局(夜間窓口)で買ってきました。

携帯やメールの普及で手紙を書くこと自体が減っていますが
それだけにペンを執るときは改まった場合や特別な相手に出すことが多いので
いざあわてなくてすむように、レターセットやカード類、切手の買置きはしてあります。
まあ一応オトナだから(^_^;)レターセットは伊東屋あたりのシンプルな無地を使い、
切手でちょっとした遊びゴコロを楽しんでいます。

この切手は昨日から発売開始されたばかりで、
国宝「源氏物語」絵巻と「紫式部日記」絵巻のハイライトが10カット入っています。
写真左は「柏木巻」で運命の子・薫を抱く源氏。右は死の床につく薫の実父・柏木と夕霧。
古美術の切手はすぐ完売になってしまうので、急いで2シートGET。
1枚は実用、もう1枚は鑑賞&永久保存用です^^

そういえば、以前国文科の友人が
伊勢物語源氏物語は、藤原氏に対する皇統側からの批判がこめられてるんだ」
というようなことを言ってたことを思い出しました。
(以下は、友人のとりあげた例ではないのですが・・・)

伊勢物語」は、皇族を両親に持ちながら政治的には傍流の在原業平
藤原氏の娘・高子を入内前に盗み出して、駆け落ちといえば聞こえはいいけど
要するに疵物にしちゃったお話が有名ですね。
(高子の不行跡にもかかわらず、藤原家は彼女を8つも年下の帝に入内させ
国母に仕立てあげたのだ・・・という批判)

源氏物語」では、皇族の女性(六条御息所)が藤原氏の娘(葵上)から侮辱を受けるし、
栄華の象徴・六条邸も、皇族出身の正妻(女三宮)が藤原氏の息子(柏木)に犯されて
不義の子(薫)を生む=藤原氏が皇族の男子(源氏)に取って代わるところから
源氏物語の崩壊が始まります。

婚姻が政治とイコールな関係を持っていた時代、
王朝の恋の中にそうした「翳」を見出すという読み方はハズレじゃないと思います。

おなじみの古典も 他の人の感想を聞くと目からウロコな発見があったりして
なかなか面白いです。