やなぎみわ「マイ・グランドマザーズ」

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三連休最終日、雨の降るなか東京都写真美術館へ行ってきました。
ほんとは美術館に行くつもりはなかったのだけど、恵比寿でお茶していて
なぜか「写美行くか!」という話になりガーデンプレイスへ。
たまにはこういう突発的な鑑賞もいいですね。ははは。

東京都写真美術館(以下、写美)は、3つの展示室でそれぞれ企画展を催しており
今回は以下の3企画ぜーんぶ!観てきました。
連れが写真好きでじっくり観るタイプなので、お茶タイム入れてなんと4時間近く滞在!

①第37回社団法人日本広告写真家協会公募展「APAアワード2009」(~3月22日)
②「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史-Ⅱ.中部・近畿・中国地方編」
③「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ

②は日本全国の美術館、博物館、資料館等の公開施設を持った機関が所蔵する
幕末~明治中期の写真・資料を調査し、体系化したシリーズ展。
安政年間のペリー来日時~明治中期までに国内で撮影された、鶏卵紙やアンブロタイプを
使った肖像・風景写真が展示されています。
当時の機材や薬剤を使って、鶏卵紙にプリントするまでの工程をVTRで再現してましたが
感光用のガラス板に薬剤を塗布する工程がおそろしく高度で煩雑な技術を要するもので
写真の裏に撮影者名が書いてあることからも、当時の人々にとって写真がいかに貴重で
特別なものであったか窺い知ることができます。
ちなみにGW中には鶏卵紙プリントのワークショップがあるとのこと。満員必至かも?!


前置きが長くなりましたが、一番面白かったのがやなぎみわ マイ・グランドマザーズ」。
原美術館のサイトに「フェアリーテール」の画像があるのですが、ショップで図録見ていて
あっあの写真の・・・と初めて知りました。なんか心のどこかに引っかかる写真家ですね。
公募したモデルに「50年後どんなグランマになりたいか」具体的に話し合い、カメラの前で
自演してもらったものだそう。
写真のチラシに載っている「YUKA」みたいに、ダイヤモンドの差し歯をして若い彼氏と
ハーレーダビッドソンをぶっ飛ばす痛快で元気なグランマもいれば、
大切な人からのポストカードを部屋の壁一面に貼って、思い出の中に生きるグランマもいる。
ざっと観て、26人のグランマ像はおおよそ以下の4タイプに分類できるかと思います。

・50歳年下の彼氏を作ったり、女社長になったりの「ポジティブ系」
宮崎駿の影響を受けたと思われる終末後の世界を描いた「終末系」
・芸者・SMの女王様・街の女として生きる「生涯現役系」
・自らの老いを受け入れていく「現実的な想像系」

写美が出しているフリーペーパー「eyes」でのインタビューによると、
20代がポジティブ系のグランマ像を想像するのに対して、30代以降になるとネガティブな面を
受け入れていく傾向があるようだ、とのこと。なるほどなあ。
26通りの未来像は一見突拍子もない想像のようであっても、それぞれ微妙なリアリティがあって
ちょっとずつ共感できる部分があるのが面白い。
私は、うーんと、そうですね、衝動的に飛行機に乗って友人に会いに行く「SACHIKO」がいいな。
あ、川端康成の「眠れる美女」を地で行く、老いたる眠り姫もいいかも♪(←どっちなんだ)
ちなみにYUKAのモデル二人は撮影後、実際に結婚してお子さんもいるそうです!スゴイ!!

そうそう、この写美のミュージアムショップ「Nadiff×10」もなかなか面白かったです。
水を入れるとフラワーベースになるビニール袋なる物に、すごく惹かれたのですが
留守中に水をこぼして図録を水浸しにしたら・・・と思い直してやめときました。
本当はやなぎみわの図録がほしかったのですが~寿夫DVD買ったばかりだし~~。
今度、恵比寿のNadiffに寄る時までに気が変わってなかったら買っちゃうかもしれません・・・。