波兎

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私は着物は着ないのですが、扇子は毎年一本ずつ買っています。
最近は電車もエコ仕様(?)で弱冷房の車両が増えてきたし、ホームは蒸し暑いし
バッグに入れておけば結構使う機会があると思います。
服に合わせた扇子をさっ!と出せたら、おしゃれじゃないかなあ?

今年の扇子は「波兎(なみうさぎ)」。

写真の扇子は男物で、モノトーンのコーディネートに合いそうなすっきりしたデザイン。
兎の文様がクールなピンクで刺繍してあるので、女性でも使いやすいと思います。

波兎は、能「竹生島」で 琵琶湖の竹生島詣でに向かう舟からの情景を謡ったくだりに拠る、
伝統的な文様です。江戸時代に「竹生島」がよく上演されるようになり、波兎の意匠も好んで使われるようになったらしい。

緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり 月海上に浮かんでは 兎も波を奔るか 面白の島の景色や」(樹々の影が湖畔に映って、魚たちがまるで木を登っているかのようだ。月明かりでできた波間の道を、うさぎが奔けて行く なんという不思議な島の景色よ)

月あかりで波の端が白く光る様子を、兎が駆けていく様子になぞらえたものだという解釈と、
湖に月が浮かんでいるから月に住む兎も波間を走っているのだろう、という解釈を読んだけど、
どっちが正しいのかな?
どちらにしても、「波間を駆ける兎」って愛らしいイメージですね♪

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「波兎」をテーマにしたお香。マリンノートの涼しげな今っぽい香りです。

「波兎」は 家屋や土蔵にも使われることが多い意匠で、正面の屋根の付け根(家紋などを入れる場所)に、鏝絵で波兎をあしらったり、瓦に取り入れたりしているようです。
兎は子孫繁栄(うさぎは繁殖力が強い)を、波は火災から家財を守る意味があるそう。

今年の夏は、波兎のように元気よく乗りきっていきたいと思います♪