読書という旅-「ローマ人の物語」

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今日はお休みだったので、ひさしぶりに一日家にいて読書&ブログ三昧でした。
 
昨夜書店に立ち寄ったら、塩野七生の「ローマ人の物語・キリストの勝利」が文庫化されていたので、
キリスト教の国教化が進められつつあった4世紀のローマにおいて、おそらくただ一人、一神教の弊害を認識し改革を進めたものの、31歳の若さで戦地に斃れた「背教者」ユリアヌス帝が登場する38・39巻を買って帰りました。
辻邦夫の「背教者ユリアヌス」には時間のたつのも忘れるくらい惹きこまれたけれど、時代背景がいまいちよくわからなかったので図書館で借りて読んだ「キリストの勝利」も面白く、かなり前から文庫化されるのを待っていました。
あとは最終巻「ローマ世界の終焉」を残すばかりのこのシリーズ、文庫で全43巻くらいはいくんじゃないでしょうか。
 
塩野七生は、十代の頃にルネサンスもの(「チェーザレ・ボルジア、あるいは優雅なる冷酷」「ルネサンスの女たち」とか「海の都の物語」あたり)を夢中になって読みましたね~。「ローマ人の物語」が刊行スタートしたのもその頃だったと思うけど、当時はなんとなく手が出しづらい雰囲気だった。
それから長い年月がたって、ある人と話していたら お互いに塩野七生ファンだということが偶然わかったのですが、その人は学生時代にスタートした「ローマ人の物語」を毎年読み続けて(「ローマ人」シリーズは年1冊刊行・15年完結)、書店で文庫を見たときは感慨深かったのだそう。そこまで長期の読書経験になると、その人自身の人生の一時期とも重なるのだろうな・・・と思ったことでした。
その後、私にもようやく時期が来て読み始めたのですが、「『ユリウス・カエサル』から断然面白くなるけど、そこまでが結構しんどい」というだけあって時系列に沿って第一巻から読んでいくのは か~な~り根性がいるので、セコイけど「ガイドブック」も買ってしまいました。まあ、山だって事前に全体の地図を見てから登るじゃないですか(笑)
 
そんなわけで、『ユリウス・カエサルルビコン以前』に到達した今、好きなユリアヌスが出てくる巻も辻邦夫を横に置いて読むというパラレル状態です。正統派ファンにすれば邪道かもしれないけど、挫折するよりいいかと思っています。
シリーズを読んでいるうちに ローマ帝国を題材にした小説(私の場合は「背教者ユリアヌス」とシェンキェヴィッチの「クォ・ヴァディス」)や映画を観た記憶も同時に追体験するという副産物までつき、読むこと自体が「旅」のような読書体験ができそうです。