「運命の人」

やまねこは一応昭和の終盤(?)の生まれの30代だけど、ここ数年、周囲に平成生まれのコたちが増えてくるにつれて、「あ~私って昭和臭が漂ってるかも。。」と感じることが増えてきた。
もともと報道写真集なんか好きで、「戦後50年」(毎日ムック)なる本も持っているせいか、ご年配の方とお話ししているときなどに、自分自身が影もカタチもない時代の事件をまるでリアルタイムに体験したかのように会話に入ってしまうため、
「やまねこさん、アナタ本当は齢ごまかしてない?」と突っ込まれることも
 
そんな昭和臭漂う やまねこが好きな作家の一人が山崎豊子(以下やまとよ)。
「運命の人」は、昭和47年に発覚した外務省機密漏洩事件、いわゆる「西山事件」を題材にした長編小説。
前年の沖縄返還交渉最終局面での日米の「密約」に関する外務省機密文書を、毎日新聞の記者・西山太吉が蓮見喜久子事務官を通じて入手したことが発覚し、二人とも逮捕された事件です。公務員法違反を主張する原告側に対し、毎日新聞側は「知る権利」をかざして対立するものの、裁判の過程で二人の関係が取りざたされるにつれて、「知る権利」を男女関係に絡む「機密漏えい事件」にすり替えられ、「密約」の存在もあいまいにされるという経緯を辿ります。
「運命の人」は全4巻中3巻までが「西山事件」の裁判と主人公の新聞記者を巡る人間関係が描かれているのだけど、4巻にきてようやく、やまとよが本当に書きたかったのは、戦後67年たった今もなお日米関係の陰に苦しむ沖縄なのだとわかる。戦争そのものを直接描いているわけではないけれど、<戦争三部作>(「不毛地帯」「二つの祖国」「大地の子」)を書いた やまとよにとっては、やはり書かずにいられなかったテーマなんだろうなと思います。
 
 
そんなわけで、こないだTBSのドラマも観たんですけど、、
 
モックン(←死語)、かっこよすぎ~~~
 
もお、あの目でじぃっ・・・と見つめられて「未来を変えたいんだ」なんて言われたら、私が事務官でも機密書類バンバン渡しちゃいますよん(←ばか)。
あの場面、なぜ三木事務官があんな危険なことをしたのか、彼女の置かれた閉塞的な状況や心理状態の描写がすごく説得力あって、すんなり納得できる。なんか原作より二人の関係がせつない感じしますね。セクシー系タレントのイメージが強い真木よう子が、芯が強い反面、妖艶でどこか切ない「三木昭子」の複雑なキャラクターにぴったり合っているのが意外でした。
全体を通して、原作に忠実かつ時代背景もわかりやすくまとめた脚本で、配役もまずまず。キムタクの「華麗なる一族」に死ぬほどガッカリさせられた やまねこもひとまず満足の初回でした。
なにより本木雅弘が思った以上に「やまとよワールドのイイ男」にハマっていて(なにしろ原作者からのオファーだったそう)、も~これで毎回 真木よう子になった気分で疲れたココロを癒せますわ(←癒されるストーリーじゃないけど。。)。
 
それにしても、北大路欣也扮する「佐橋慶作総理」が出てくると、お父さん犬がかぶっちゃうのは私だけ~~??