Book Cafeなるところについて

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 予定がない休日には本を片手に都内某所のカフェに出没する やまねこですが、
意外にも(?)いわゆるブックカフェなるジャンルのお店にはあまり足を運んだことがありません。
 これは、そもそも手持ちの本を(小洒落た気分で)読むためという、ターミネーターばりに明確なミッション(←嘘。)を持ってカフェに出向くからにほかなりませんが、「槐多」しかり、「よるのひるね」「Rainy Day Bookstore & Cafe」「カフェ・オーディネール」などなど(以上、雑誌に取り上げられるような店)、いずれもオーナーのセンスとこだわりの光る棚の本たちは、しかし私の「<そのとき>読みたい気分」とは微妙にマッチングせず、万が一食指が動いたとしても、買って帰るわけにもいかないものがほとんどだからでもあるので。
 また、そのほとんどが数年以内に開店したばかりのブックカフェは、最近流行の中古の家具(レトロなインテリアともいう)を取り入れた、昭和とも平成ともつかないスタイルにコーディネートされた個人宅の居間風の「なごみ系カフェ」の流れをくむタイプのお店が多いのですが、どうも私にはこのてのお店が合わないようなのです。
 S区の住宅街の中にある大学で学生生活を過ごした私は、大学周辺およびその沿線に点在していた古きよき時代のパリのカフェをイメージした(?)、漆喰塗の壁にはアンティークのランプとモノクロ写真の額が掛かり、古びたビロード張りの椅子に疵だらけの木の丸テーブル・・・といったスタイルのお店に友人と入り浸ってショコラ・ショーなんか飲んでいました。このタイプのカフェのインテリアはアンティーク風ななりに統一感がありました。「なごみ系カフェ」の、照明もテーブルも椅子もてんでばらばらなインテリアに落着けないのは、<好み>の形成期に刷り込まれた、上記のカフェの影響があるのかもしれません。
 
 今日は土曜出勤(半日勤務)、ここ数週間の神経張りっ放しの連続から気分を変えたくなって、久しぶりに渋谷エリアの住宅街にあるアンティークショップ兼ブックカフェに行ってきました。もちろん、前回の「つんどく」記事で取り上げた一冊を集中して読むため。
 このお店のインテリアは商品として販売もしており、スタイルもまちまちな古びた革張りの椅子が、お客同士の視線がかち合わないように微妙な位置にレイアウトされた、まさに「読書のための空間」でした。BGMも読書の妨げにならない音量でセンスのいい選曲。カフェタイムでも10種類以上もあるグラスワインを注文できます。久しぶりにまとまった読書ができて思った以上に長居になってしまったので、二杯目は試しにグラスのロゼを注文してみました。いいな、こういう小さな贅沢。ページを繰る合間に透明な赤と香りを愉しみ、グラス一杯のワインを時間をかけてゆっくり味わう飲み方がよかったのか、緊張で凝りまくった体と神経がゆっくりほぐれていくのがわかる。ただ、ここをリピートするかというと、やっぱりなんらかの勢いなりウサが必要かもしれないなあ。。秘密基地の新規開拓はなかなか難しいですね。