ゾルゲがいそうなビル-横浜「インペリアルビル」-

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 横浜が好きな理由のひとつに、ちょっと歩いているとすぐに「歴史的建造物」に出会うこと。この日も、神奈川県民ホールの裏道を歩いていたら、こんなビルが。
 
「インペリアルビル」(昭和5年竣工・ 設計 川崎鉄三・ 施工 白井工務店
 
 周辺の建物になじんでしまってちょっとわかりづらいですが、写真左側の建物の曲線やガラスの面積を大きめにとったデザイン、当時はモダンで瀟洒なビルだったのでしょう。5階部分のペントハウスは竣工後の増築のようだけど、竣工当時、3・4階は外国人用アパートとして使われていたようです。
一歩足を踏み入れると、思いがけず、戦前の匂いが濃厚に漂ってきました。(笑)
 
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 入ってすぐ横にある、タバコ屋さんの跡(ショーケースは復元したものらしい)。
横浜という土地柄を反映してか、やっぱり「舶来物」をそろえてますね
今ではもう映画かドラマでしかお目にかかれない電話機もそのまま残っていますが、
公衆電話代わりに使われていたのでしょうか。あ~なんだか、横の階段からスーツ姿のリヒャルト・ゾルゲが姿を現しそうな雰囲気。。
 
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 タバコ屋さんの前からエントランスを撮影。
建物の来歴を伝える資料が階段の壁に展示(?)してあります。
非常ベルの上の真鍮のベルも、たぶん当時のものでしょう。
最初の外観の写真や、この写真で建物のエッジ部分がなだらかなカーブを描いています。こうしたカーブは旧明治生命本社ビルでも目にしましたが、戦前のビルの特徴なのでしょうか。
つき当たりは管理人室だったのか、なぜか年代物の体重計が。。
 
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階段の踊り場からエントランスを見下ろして。
上の階も見たかったのですが、所有者のいる建物では共有部分までがギリギリだろうと判断。
 
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階段手すり部分も凝ったデザインになっていて、やまねこ、も~クラクラしちゃう。。
まったくの通りすがりに、このビルにふと目をやった自分の嗅覚を褒めてあげたいくらいである。
 
あとで調べたところ、インペリアルビルが建つ山下町「水町通り」は、開港当時は外国商館が軒を連ね、横浜を代表するメインストリートのひとつだったそう。
山手の西洋館もいいけど、やまねこは、まちなかにさりげな~く建っているこんなビルが好き。