ブラームスはお好き

 ブリヂストン美術館の「ドビュッシー展」に続いて、サンソン・フランソワの36枚組CDのおかげで、久しぶりにクラシック音楽熱が再熱しています。
 
 フランソワの評伝を読んでいると、やっぱりというか当然というか(笑)、華やかな女性関係がほのめかされているのだけど、その中でもフランソワにとって特別な存在であったのが、パリ音楽院の同級生でヴァイオリニストのミシェル・オークレール(1924-2005)。
 
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 オークレールはパリ音楽院でジャック・ティボーに師事し、1943年、ロン・ティボー国際コンクールで優勝します。このときのピアノ部門の優勝者がフランソワでした。 その芸風から「女ティボー」の異名を持つオークレールは国内外で実績を積むものの、左手の故障と結婚を機に30代の若さで演奏活動を休止。70年代には桐朋学園のマスタークラスも持ったことから、日本にも根強いファンを持っています。
 国際コンクールでの優勝者同士、しかも二人とも写真でもおわかりのような美男美女とくれば、・・・ねえ(笑)。
 結局、二人とも他の人と結婚するのだけど、その後も関係は続いていたといわれています。
 
 
 
 
 
 もう半世紀以上も前に引退しているにもかかわらず、根強い人気を持つオークレールの演奏はサイトを探せばいくつもヒットします。
 ブラームスの協奏曲は、N響だけでも毎年確実に舞台にかかっているのではというほどのメジャーな曲ですが、オークレールの演奏は、現在ではなかなか耳にできない、のびやかで薫り高い音。洗練されていながら芯の強さも感じさせ、最近の技巧と力強さ全開のヴァイオリンに少々食傷気味の耳には、とても自然に聴こえます。。
なるほどこの音楽なら、二人はきっと意気投合してお互いを理解しあえただろうし、フランソワが彼女を手放せなかったのも無理ないなあと思わせる。
 
 
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 右のツーショット写真は、フランソワの来日コンサートのプログラムに載っていたもの。こんな写真が残っているのですねえ~。
二人で本か冊子のようなものを一緒に見ているようですが、映画のワンシーンのような雰囲気。
いいなあ~。
 
 ちなみに、フランソワーズ・サガンの「ブラームスはお好き」で、恋人たちが出かけたコンサートのプログラムがブラームスの協奏曲(正確には、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲)。
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