落葉の季節
「あのね、外苑の桜も悪くないけれど、私は落葉の季節が好きなの。今は紅葉しているけど、都会の紅葉は冴えないわ。私は晩秋がいいわ。木々が黄ばんで、少しずつ裸になってゆくのは特別心にしみるわ」
-芝木好子「落葉の季節」-
11月24日、かろうじて横浜の紅葉に間に合った。
日本大通りはカメラ小僧で大にぎわい。上のアルテ・リーベは割と最近つくられた建物らしいけど、やわらかいカーブを描くアウトラインのせいか、ヨーロッパの街角にいるような気分にさせられる。晩秋の午後、落葉を目前に迎えた木々のきらめく中を歩いていると、ブラームスの弦楽六重奏曲第一番が聴こえてくるような気がした。
通りに面したコンビニのオープンカフェは案の定ふさがっていたので、石造りの壁にもたれてテイクアウトのオリジナルコーヒーを飲みながら、この秋最後の紅葉を楽しんできた。
こちらは築100年超の三井ビル。
戦前の引き上げ式窓の長方形の配列と、銀杏の梢のコントラストに見とれてしまう。銀杏の実はほとんど取り尽くされていて、この季節特有の異臭はほとんど感じられませんでした・・・。
この一角で、三井ビルと同じくらいお気に入りの建物。
9月に異常なほど実をびっしりとつけていた銀杏も黄葉していて、ああよかった・・・と少しほっとする。来年の春にも緑の葉っぱを見せてほしいです。