ボッティチェルリの花

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 今日、地元の花屋さんのオススメで買ってきたお花。
 スプレー咲きの薔薇かと思いきや、ラナンキュラスだそうでびっくり。ラナンキュラスといえば、ペーパーフラワーのような多弁咲きの大きな花というイメージがありますが、去年あたりから小ぶりですっきりした このお花も市場に出ているそうです。
 
 写真ではわかりづらいですが、よく見ると花びらの内側が薄い銀色に光っていて、とてもきれい。ボッティチェルリの「ヴィーナスの誕生」を連想しました。
 
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ヴィーナスの誕生」(部分)
 
 海の泡から生まれたばかりのヴィーナスに、西風ゼフュロスが祝福の春風とともに吹きかける花。
 ボッティチェルリは写実的な植物を描いた画家です。ルネサンスは自然科学が発達した時代でもあり、ダ・ヴィンチも人体の精緻な表現を追求すべく30体もの人体解剖を手がけたといわれています。ボッティチェルリの残した写実的な花々も、こうした自然科学の隆盛の流れの一つであったのでしょう。「ヴィーナスの誕生」に描かれた薔薇は、ロサ・ガリカという説があるそうです。
 
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 こういう一重咲きのオールド・ローズ、好きだな。人物を独特の線描で描いている(髪がかたまってたなびいているように見える)分、細部を写実的に描いているせいか、「ヴィーナスの誕生」からは、本当に春風とともに薔薇や潮の香りが顔に吹きつけてくるような気がします。
入門書の絵を観ながら「春の戴冠」、のんびりと楽しんでおりまする。