福岡の休日二日目-①九大箱崎キャンパス 探索記その1

 なんだかんだで、ブログそのものの更新が停滞しております。。
福岡から帰ってきて、もう三週間たってるし!!
 
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 レトロ建築好きとしては、福岡で外せなかったのが、九州大学箱崎キャンパス。
九大は伊都へのメインキャンパス移転計画を進めており、すでに工学部は2007年に箱崎から移転を済ませ、残る学部も2019年度までに順次移転を完了するとのこと。
 
 以前、ここの卒業生と学生時代の話をしていて、相手が「とにかく大学がものすごく古くて」と何度も言うので「歴史があるってことですか?」と聞いたら、「いや、物理的に古いんです」。なんでも、お湯を汲める場所が一か所しかなくて、実験中に大学に行って最初にしなければいけないことは、(飲料用の)お湯を汲みに行くことだったとのこと。歴史あるキャンパスの生活も結構サバイバルなのね。。
 今回の福岡行きでその話を思い出して検索してみたら、あるわあるわ、大正期や昭和初期に建てられた工学部の校舎が(今のところ)まだ健在。
 こういう状況だと、近い将来ある日突然取り壊し・・・なんてことも結構あるので、
「いつ行くの?!今でしょ!というわけで予定に入れました。
 
 
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 松本清張「点と線」によると、箱崎は博多の東の端にあたり、蒙古襲来の古戦場があって近くには箱崎宮もある古い土地だそうです。天神からは地下鉄で貝塚方面へ10分ほどの距離。そんな便利至極なロケーションから、なにもセアカゴケグモが出るような伊都の山里に大学移さなくたってねえ・・・という気がしないでもないけど。
 箱崎九大前の駅から出てすぐに小松門(工学部側)から入れます。閉鎖した校舎だらけのキャンパスという特殊性(?)を考慮して、事務棟が開いていると思われる土曜の午前中に行ってきましたが、中はちゃんと管理されてます。それにしても、都会のキャンパスではお目にかかれない車道の広さ!
 
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 超伝導マグネット研究センター(昭和6年/1931年 渡部善一・大林組
といっても何の実験に使われてたのかよくワカラナイ。。
事前に九大HPで箱崎地区のキャンパスマップをプリントしてきたのですが、地図に名称が載っていない建物もあったり、築年数も不明な校舎も多数あります。
 
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 五十周年記念講堂。
なんか、ポストモダンな感じ(←といっても、建築様式に詳しいわけじゃないけど)。
ここは現在も使用されていて、食堂やATM、託児所(!)が入っています。
 
 
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 システム情報科学研究院
 電子工学系の学科が入っていた校舎のようです。工学部の校舎のほとんどは、現在は一階部分が板で塞がれていて侵入できないようになっています。(でも2階部分の窓ガラスが投石で割れていました!)扉には「電源停止のお知らせ」が当時のまま貼ってあります。
 
 
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 埃で厚く覆われた窓からも、かつては桜の梢が間近に見えたでのしょう。
私がここの学生だったら絶対、実験室で花見酒企画・実行してるだろうな~。場所取りや寒さ対策の心配もいらないし。オサケはもちろん、芋のお湯割りで(笑)。 
 
 
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 本部第一庁舎(大正14年/1925年  倉田謙・佐伯工務所)
 正門横に位置する、大学事務局が入っている棟です。残念ながら私学と違って、国立大学は土曜日は休みなのか、中には入れませんでした。このすぐ横(入口入ってすぐ)には、この建物と全く同じ様式の「評価情報室」なる建物もありました。
 
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 工学部本館(昭和5年/1930年  倉田謙・清水組)
 前の第一庁舎といい、正門エリアの校舎ともなると「ザ・旧帝大」な威圧感を漂わせた建物がずらりと並んでいます。この本館なんかその最たるものですが、正面に張り出した部分を軸に左右対称に広がっていて、まるで要塞、または蟹がハサミを広げたような姿に見えます。
 
 
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 個々の校舎の建築年代などは後で調べてみますが、東大(湯島・駒場キャンパス)と比べても、直線的で重厚な感じがします。
 
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 空港が近いために、ほぼ3~5分おきに飛行機が低空飛行で飛んでいきます。移転の理由の一つに騒音公害があるそうですが、正直いって、慣れの問題かもというレベル。航空機オタクにとってはたまらない環境かも?
 
 
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 正門(明治44年/1911  不詳)
 第一庁舎沿いに歩いていくと、正門に出ます。門自体は思っていたより小ぶりなものですが、正門から見える建物は小松門側の校舎群とは、手の入れように歴然たる違いがあります。
 
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 正門門衛所大正3年/1914年)
 これ、現役で使われているんです!なかなかデザイン性の高い警備室ですね!
 
 このへんまでは正統派の、「古い建物」ばかりですが、この後探索したエリアはもう廃墟の一歩手前。。
続きは翌日以降にお知らせしますね~。