福岡の休日二日目-③白秋の故郷・柳川 川くだり

 超スローペースでお届けしております、福岡の休日シリーズ。
やまねこの目と足とココロを釘付けにした箱崎廃墟キャンパスを後にして天神に戻り、今度は福岡の南・柳川へ。
 西鉄柳川駅へは、西鉄天神から大牟田線急行で45分ほど。途中で大宰府への乗り換えもあるので、箱崎に行かなければ、大宰府・柳川はこの半日で回れたのですが、まあいいか。
 
 
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 今回のコースは、「時間の習俗」のアリバイ工作に使われたエリアとほぼ重なり、天神の岩田屋デパートの地下から西鉄大牟田線に乗った犯人は、大宰府政庁跡の近くで第二の殺人を犯すのです(現在では、西鉄天神駅の上には岩田屋三越が入っています)。
 写真は鈍行の車両(at西鉄柳川駅)ですが、特急に乗ってしばらくすると、二日市、久留米、と地理の授業で覚えた地名が、無機質な高層マンション群や量販店の看板とともに窓の外を流れ過ぎていきます。ちょっと中心地を離れると、日本各地の郊外で風景の画一化が進んでいるのだなあ・・・と実感。
 
 
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 柳川駅を降りて、観光案内所で川くだりのチケットを買うと、手ぐすね引いて待ち構えていた(?)観光会社のオジサンに送迎バスに誘導され、そのまま船着き場までドアツードアで移動できます(笑)。プラス100円でレンタル笠を利用できますが、日差しが強いので借りた方がいいかも。
 川下りに使われる舟は「どんこ舟」というのだそうです。やまねこの乗り込んだ舟には10人以上が乗ったのですが、ちょっとでも端に寄りすぎると重心がアブナくなるのがわかるくらい。船頭さんも「絶対身を乗り出しちゃダメですよっ!」と注意が。
一昨年に発生した静岡・天竜川川下りの死亡事故以来、行政の指導が厳しくなったそうです。
 
 最初は、↑のような用水路の中を漕いで行くので、「これじゃ長岡の福島江(用水路)と変わらんな~」と思っていたのですが。。
 
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 狭い石橋をくぐり抜けると、200年前に手掘りで造られたクリークに入ります。
 
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 写真をご覧いただけばおわかりのように、「川」くだりというよりは、お堀めぐりといった方が正しいと思います。このお堀は約200年ほど前の藩政期に手堀りでめぐらされたもので、いわば自然を利用した要塞だったのだそうです。
 近年まで運河の水を生活用水として使っていた名残で、運河沿いの家々にはこうした階段が設けてあります。そういえば、いくつもの用水路を持つ金沢でも、武家屋敷あたりの民家でこうした洗い場の跡が見られます。
 
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 こんな可愛らしい船着き場を個人でお持ちのお宅も見かけました。ステキ~♪
 
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 レンガ造りの倉庫は醤油だか味噌の醸造所です。う~ん絵になるなあ。。
北原白秋の生まれ育った土地らしく、河岸には白秋の歌碑だの「待ちぼうけ」の像があって、ここぞというポイントで船頭さんが舟歌や待ちぼうけを歌ってくれます。
 
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 やまねこが訪れたときは杜若の花盛りでした。
 
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 うなぎの蒲焼で有名な土地だけあって、うなぎの供養塔なんてのもあります。
うなぎと河童のツーショットがかわいいですね。
 
 
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 水上売店
 
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 写真のように、乗客は下船せずにかき氷やアイスクリームを買えるようになっています。上海・蘇州にもこんな水上売店がありますね。
 
 
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 婚礼で花嫁・花婿を載せることになっている花嫁舟の準備中。
この日はきっと、お二人の佳き思い出になったことでしょうね。お幸せに。
 
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 こうして見るとやはり南国。初夏の木々は緑の天蓋のように運河を覆い、水面にふれんばかりに枝を伸ばしたジャスミンの花の甘く重い芳香がたちこめ、頭上の梢も足元の水面も、境目がないほどのとろりとした緑の中に、とぷんと溶けてしまいそうなだるい心地よさをおぼえます。川下りには一番いい時季だったかもしれません。
 
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 川下りコースでは十数箇所もの橋をくぐりますが、これはたぶん一番狭い橋。
どんこ舟の幅ギリギリの狭さで、船頭さんも伏せて橋をくぐります。
 
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 待ちぼうけがここにも。。。お尻向けて寝てるし(笑)
 
しめた。これから寝て待とうか
 待てば獲物が驅けてくる
 お客来い来い、せんべい屋♪
 
 旅情緒がたっぷり味わえた、約一時間半の舟旅でした。
 
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 北原白秋の生家。現在では白秋記念館になっています。
 下り場の近くには旧柳川藩主・立花家の別邸だった料亭・旅館「御花」があって、うなぎ蒲焼がいただけるレストランもあるそうですが、やまねこ今宵はホルモンヌになる予定だったので、蒲焼はスルー。うなぎも食ひたかったにゃ。。
 
 続きはまたぼちぼちと。