福岡の休日 三日目 -大宰府天満宮・九州国立博物館
二か月近くだらだら書いていた福岡の休日もようやく最終日(呆)。
太宰府天満宮に入ってすぐご対面の御神牛。
菅原道真の棺を曳いていた牛がうずくまり動かなくなったこの地に社を造営して祀ったという伝承に基づくもの。なんか、どう見ても我が家のクルちゃんがお散歩拒否してる姿を思い出してしまいますが。。
この牛さんの頭をナデナデすると頭がよくなるということから、物凄い人垣で写真を撮るのがやっと。あ!やまねこ、頭なでるの忘れちゃった!!(←馬鹿)
志賀社。
海の神様である綿津見(わたつみ)三神がお祀りされています。室町時代の長録二年(1458年)に再建されたと伝わり、和風・唐風・天竺風の様式が合わさった精巧なつくりをしており、重要文化財に指定されています。
福岡には金印が発見された志賀島という小島もありますが、なにか関係があるのでしょうか。
楼門。
御本殿。
もともとの本殿は道真公の御墓所に延喜五年(905年)に建てられた祀廟に、醍醐天皇の命を受けて左大臣藤原仲平が造営したものですが、その後焼失し、現在の社殿は天正19年(1591年)に筑前国主・小早川隆景が再建したものです。
安土桃山様式の豪奢な本殿。よく見ると梅の御紋がいたるところに。
有名な「飛梅」。何代目の木でしょうか・・・。
山の中にぽっかりと現れた」エントランスにびっくり。
博物館へ続く、動く舗道。
壁面の色がどんどん変化していき、入口の印象を裏切る近未来なプロムナード。
山の中に突然現れた、九州国立博物館。
お土地柄なのか、東アジア諸国と日本との交流をテーマにした企画展が多いようです。時間がなかったので、企画展「大ベトナム展」はパスして、当博物館が力を入れている常設展「海の路、アジアの路」を鑑賞したのですが、これが、予想以上に面白かったです。日本文化の形成をアジア視点でとらえるというテーマのもと、日本とアジア諸国との文化交流の歴史を追った展示構成なのですが、鎖国までの日本がいかに開かれた国であり、海を渡ってきた異文化を貪欲に吸収して「日本の文化」を形成してきたのか、が実感できる内容。
室町時代の博多は今でいう「中華街」が形成されており、陶器の通貨が発掘されたということ。後日読んだ「能・狂言の見方楽しみ方」(柳沢新治)によると、倭寇で連行されてきた唐人が技術者や奴隷として筥崎宮(今の九大箱崎キャンパスのあたり)で使役されており、能「唐船」や狂言「茶子味梅」にそうした日中関係の暗い歴史が反映されているそうですが、こういう展示を見ると、「日本人はどこから来たのだろう」という興味がわきますね。もしかしたら、能や狂言にもどこかに大陸の文化が取り入れられているのかも。そもそも、四方を海に囲まれた国土で単一民族なんてありえないですしね。新潟にもアイヌや白系ロシア人の血が混入してるともいうし。
「海の路・アジアの路」図録・「アジア―ジュ」(←なんかアニメージュみたいな名前)
九州国立博物館の独自性を打ち出した、「日本人はどこから来たか」を考えさせてくれる充実の内容です。各コーナーのキャッチコピーもなかなか気が利いている。
ここに来て初めて「左遷」の語源となった大宰府がかつては先進国・唐との海外交易で栄えた土地だったのだということもわかります。
それにしても、道真公は自らが廃止した遣唐使の窓口となった地で生涯を閉じることになろうとは思わなかったでしょうね。
・・・というわけで、刺激的だった福岡の旅。こーなったら九州各地を旅してみたい!という野望(?)も湧いてまいりました。もしかしたら、今後、九州シリーズも細々と継続するやもしれませぬ。