Undercurrent

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 去年の暮れにミニコンポを買い替えてからは、ほとんどジャズばかり聴いています。
・・・といっても初心者なので、マイルス・デイヴィスビル・エヴァンスキース・ジャレットのような大御所がほとんどで、新しいところでダイアン・リーヴスやクリス・ボッティといったところ。
 新規開拓は、隠れ家その2(珈琲店)でかかっているCDで気に入ったものがあったらメモさせてもらい、YouTubeで視聴してアルバム買っています。NHK「美の壺」のBGMに使われているジャズも選曲のセンスがいいので参考にしてるし。話がそれますが、あの番組見てるとなぜかよく冷えたワインか、ウィスキーグラスからーんとしたくなるのは、やまねこだけ?!
 
 上の写真は、ビル・エヴァンスのアルバム Undercurrent(アンダーカレント)のジャケットに使われた、トニ・フリッセルという女性写真家の代表作で、1947年に発表されたLady in the Waterという作品です。ミレーの「死せるオフィーリア」を連想させるような耽美的な、それでいてモダンに洗練された写真で、このアルバムは私の好きなMy Funny Valentineが収録されてなかったとしてもジャケ買いしていたと思います(笑)。
 この「アンダーカレント」はギターの巨匠ジム・ホールとの共演で、ピアノとギターだけというシンプルな編成ながら繊細かつ密度の高い演奏で、ビル・エヴァンスの和音の繊細さ・美しさが存分に引き出されているアルバム。特に冒頭のMy Funny Valentineは、他のプレイヤーと比べるとかなり速いテンポで一瞬面食らうものの、あっというまに凝縮された情緒の世界に引き込まれる名演です。
 ビル・エヴァンスの演奏って、夜中に静かに降り続ける雨のように、繊細で美しい和音の中に陰りが感じられるところがハマるんだよね。明るく弾むようなWalts for Debbyにさえ、どこか刹那的な陰りを聴き取ってしまう。
ドビュッシーとか坂本龍一好きな人ならかなり高い確率で気に入るんじゃないでしょうか。
代表作のWalts for Debbyも捨てがたいけど、やまねこはこのUndercurrentをイチ推し。
 もちろん、ウィスキーグラスからーん、のBGMとしてもおすすめです(笑)。