2013夏の九州旅行 ⑧熊本 まちの近代建築探訪~九州学院礼拝堂
先日、政府が「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」を世界遺産に推薦することが決定しましたね。これを機に、九州各地に点在する産業遺産がきちんと維持管理されていくのは慶賀の至りですが、できれば登録されて人が押し寄せる前に行ってみたいです。
そこまでメジャーじゃないものの、足を運んでみたいのは、まちの近代建築。
こういう建築物のほとんどは観光ガイドには載っていないので、事前に建築関連本やサイトで調べた上で探索に出かけます。
今回、熊本市内でチェックした文化財建造物または興味深い建築は3件。ホテルの朝食ビュッフェで郷土料理の「たご汁」「いきなり団子」などで腹ごしらえした後、交通センターで市電の1日乗車券を購入。熊本市中心部の移動は市電が便利です。
1925(大正14)年に学院の創立者ブラウン博士を記念して建てられた礼拝堂で、設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズ。日本の近代建築に関心のある方なら、明治学院大学礼拝堂や山の上ホテル本館が頭に浮かぶでしょう。
鉄筋コンクリート平屋建(中二階あり)で、外壁には白い人造石を使い、正面の意匠に特徴がみられます。
テニスコート側に面した側面。結構、奥行きがたっぷりしています。
西側側面。人造石を使っているのは正面のみですね。
二連の半円アーチ形の窓。
この礼拝堂、九州学院高等部の構内にあり、当初は外観だけみていくつもりでしました。訪問したのが月曜日にあたり学校が開いていたため、一応、敷地内に立ち入る旨了解を得ておこうと思って事務所に寄ったところ、なんと、鍵を開けて中を見せてくださるとのこと!さすがアーメンの学校!!
求めよ、さらば与えられん
尋ねよ、さらば見出さん
・・・というわけで、以下は職員の方に立ち合っていただき撮影した内部です。
中二階から見た講壇。もとは講堂兼礼拝堂として使われ、現在では宗教行事および関係者の冠婚葬祭に使用されているそうです。
講壇。シンプルでいかにも学校っぽい印象です。
講壇のステンドグラス。こちらもシンプルモダンな意匠。
礼拝堂って、教派を問わずこういうアーチで仕切られたサイドシート(?)がありますね。カトリックだと窓側の壁に受難図の連作が掛かっている教会もあります。
この区画はどのような意味・役割を持っているのでしょう?
プロテスタントらしく、全体的に堅実な印象の礼拝堂で、照明もすっきり。
点灯したところも見てみたいですね。
中二階に上がる階段。
中二階、講壇とは反対側(=礼拝堂正面)のステンドグラス。
色を使っているのは、講壇上部の丸型ステンドグラスのみです。
中二階(礼拝堂正面側)。
段階的な修復は何度かしていたそうで、天井の照明を替えるために梁の部分などは補強・改修しているそうです。
やまねこ、礼拝堂建築に関する知識がほぼゼロでしたが、ダメモトで思いがけない内部見学の機会を得、後日の確認用に写真を撮りまくってきました。うれし~
残暑で雨の降る中、見学を快諾いただき立ち合ってくださった学院事務所の方に、この場を借りてお礼を申し上げます。