「枯葉」

 
 今年もあと60日をきりましたね。
この二週間ほど休日出勤があったり、その合間にもなにかとバタバタ走り回っていたために、またしてもブログをサボってしまいました。。
 
 そして11月。最近よく聴いているのがマイルス・デイヴィスの「枯葉」。
もともとはサクソフォンキャノンボールが出したアルバムの収録曲ですが、現在では「マイルス・デイヴィスの『枯葉』」としてジャズ史上有名なナンバーに。
 冒頭はピアソラの「ブエノスアイレス午前零時」を彷彿とさせる演奏で、とてもあの「枯葉」が始まるようには聞こえないのに、マイルスのソロでするっと「枯葉」の世界に入れてしまうのがハマリます。キャノンボールの長くほろ苦いソロもすばらしい。
 
 「枯葉」はいわずとしれたロングセラーで、サラ・ヴォーンなどの名演も沢山あるのに、二十代の頃はなぜか全然ピンときませんでした。それが、「う~~ん!いい曲だ・・・」と思えるようになったのはここ数年。やまねこの好みでは、こういう曲は上述のマイルスのような(ベタベタしない)辛口な演奏の方がハマリますが、ご本家のシャンソンもなかなかオツです。
 
 
 山崎豊子の「華麗なる一族」で、万俵家の次男・銀平が政略結婚の婚約者とグレコのディナーショーでこの曲を聴きながら、パリに去った恋人を痛みとともに思い出すシーンがあるのですが、動画のクレジットには1967年(昭和42年)とあって「華麗なる一族」が書かれた年代と近いから、銀平が(というか山崎豊子が)聴いたのはたぶんこの頃のグレコなんでしょうね~。細身の体にシンプルな黒のドレスをまとい、アイラインを強調しただけのメイクのグレコ、容姿も歌も知性を感じさせて魅力的です。
 以前は「銀平ってなんてヤなヤツなんだ!」と思って読んでたけど、よく読むと彼もかなりカワイソーだし、現実には猟銃自殺しちゃう長男の鉄平より銀平タイプの男子の方が多い鴨。。そしてこの↑グレコの「枯葉」にグッとくる銀平が三十三歳という設定も解るような気がするのですね。まだ若いけど、自分の意志ではどうにもならないことがあるということも既に知っているという年齢という意味で。ま、原作が書かれた当時の三十三歳は今のアラサーよりずっと大人だとは思いますが・・・。
 
 秋の夜長、YouTubeでいろんな「枯葉」を聴くのも結構オツな楽しみです♪