鎌倉・紅葉の金沢街道を歩く②

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 杉本寺。
 光明皇后の寄進によって、天平6年(734年)に行基が開いたといわれる、鎌倉最古のお寺です。残念ながら、本堂屋根の萱の葺き替え工事中で、風情ある外観はのぞめませんでしたが、本堂に入って天平時代の御本尊を拝むことはできました。
 
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 山門脇の仁王様。
 
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 山門を登りきった側から。苔むした急勾配の石段に板を敷いてスロープを作って、こうして萱や部材を運び込んでいるようです。
 
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 本堂横の山道を登っていくと、とつぜん、眼下に鎌倉の街が広がります。
鎌倉時代後深草上皇の寵愛を受けたのち寵を失って御所を追放され、出家の身となって諸国を遍歴した上臈女房・後深草院二条の日記「とはずがたり」の鎌倉の
記事の一節を思い出しました。
 
 明くれば鎌倉に入るに、極楽寺といふ寺に参りてみれば、僧の振舞、都にたがはず、懐かしくおぼえてみつつ、化粧坂といふ山を越えて、鎌倉の方をみれば、(中略)階などのやうに重々に、袋の中に物を入れたるやうに住まひたる、あなものわびしとやうやう見えて、心とどまりぬべき心地もせず・・・
 
 二条が佇んでいた場所とは違うものの、「袋の中に物を入れたように住んでいる」という表現が今でもしっくりきますね。
 
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 山道を登りきった先には、個人のお宅の入口が。
表札をかけただけの簡素な入口を見た瞬間、なぜか小督を探し当てた仲国になったような気分が・・・。
 
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 報国寺
竹の庭で有名なお寺です。
 
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 竹の寺というだけあって、やはり竹の清々しい美しさが格別でした。
というわけで、以下、竹シリーズ。
 
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 実際には大混雑で、竹のお庭を眺めながら優雅にお茶をいただく・・・という当初のもくろみはあっけなく頓挫。
 
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 かぐや姫と竹取の翁が出会ったのも、こんな竹林の中かも。
 
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 本阿弥光悦風に。こうして見ると、光悦や宗達が竹を好んだ理由がよくわかる。
 
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 足利家時やぐら。
 右側のやぐらには、足利家時永享の乱で自刀した足利義久の墓が安置されているそうです。
 
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 紅葉と竹のコントラストが美しい。
 
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 鐘楼。
 
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 日が傾いてきたので、この日最後のポイント・浄妙寺へ。
黄金色の山に抱かれるような本堂のたたずまいがいいですね~。
 
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 浄妙寺には高台に「石窯ガーデンテラス」というオープンカフェがあるのですが、古刹まで来たらカフェよりお抹茶でしょ、というわけで、茶寮「喜泉庵」で本堂とお庭を眺めながらお抹茶をいただきました。
 
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 日の移ろいにつれ黄金色の山がその表情を刻々と変えていく様を、ゆったりと眺めて過ごしました。