1950年の黄金の味


 やまねこは普段は食が細い方ですが、猫の皮を被らなくてもいいときに美味しい物を前にすると結構がっつり飲んで食べています。
 
 金曜日に仕事で父が上京してきたので、絶好のチャンスとばかりにザギンの老舗洋食屋さんに行ってきました。1950年代に川端康成が若き三島由紀夫を連れてきたというそのお店、三島由紀夫ファンの父は料理もお店の雰囲気も気に入ってくれましたが、週末は予約しないと入れないので、年明けの営業開始日にソッコーで電話しておきました。
 お店の照明はほの暗く、宵の口のザギンらしく、毛皮とか着物をまとった出勤前の夜の蝶を連れた同伴カップルの姿がちらほら見られます。父に言わせれば「昭和40年代の雰囲気な店だな~」。
 
 このお店、前菜からデザートに至るまで毎回どれにしようか迷います。
前菜は迷った挙句に本日の「うまい、うまいにゃ~」:「白レバーのパテ」。
いちじくのペーストと一緒にバゲットに塗って食べるので、ワイン一択です。あぁ、せっかくの三連休前日、生牡蠣も頼めばよかった。。
 
イメージ 1
 本日の「うまいにゃ~うまいにゃ~」:「1950年の海老マカロニグラタン」
 
 ちょっと小さ目サイズのグラタン、コクがあってまろやかな味わい。ぐつぐつ音を立てながら運ばれてくるので、食べる前からパブロフの犬状態です。
大山地鶏のグラタンもあるので、父と半分ずつシェアしてみたのですが、やまねこ的には海老の方がうまいにゃ~と思ふ。
 
イメージ 2
 本日の「うまいにゃ~」:「元祖!世の中で一番おいしいと言われるチキンバスケット」
 
 大山地鶏を使った、とってもやわらかい(骨なしの)フライドチキン。オニオンリングで脂っぽい口を中和させながら食べるようになっています。正直いって、素材の良さは認めるけど世界一かどうかは、人によるかな?
 大仰なネーミングの由来は、嵐山光三郎の本によると、初代が進駐軍のベースでバスケットに盛られたフライドチキンを食べてその味に仰天し、「こんな料理を出す店を作りたい」と奥さんに相談したところ、「じゃあ、映画『郷愁』に出てくるダンスホールみたいなのにしましょうよ」ということで、「郷愁」のダンスホールの名前を冠したお店を銀座に開店。
 1950年の開店当時の食糧物資がきわめて不足する時代にあって、800円(現在の感覚では13,000円くらいか)もするチキンバスケットは、銀座ならではの高級料理として文字通り垂涎の的となったとか。川端康成三島由紀夫を連れてきたのもその頃で、カウンターの内側に文豪二人のサインが飾ってあります。
 
イメージ 3
 本日の「うまい、うまいにゃ~」:デザートのアップルパイ。
 
 最初のオーダー時にあらかじめ注文するか確認される(調理時間に40分以上かかる)だけあって、サクサクしたパイ生地と熱々のりんご、バニラアイスの冷たさのコンビネーションが絶妙な一品です。アイスクリームにかけるソースが三種類くらいあって、やまねこは三種類のベリーソースを選びました。他にはシナモンソースとチョコレートソースがあります。
 チキンバスケットの時点で毎回お腹いっぱいになるので、これを一人で完食するのは無理だと判断しシェアしてちょうどよかったです。
 
 次回はハンバーグにしようかな~。