長岡 夏のB級グルメ(?)「冷麺」

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 ずいぶん昔、「フレンドの『イタリアン』って長岡のB級グルメなんだってね~」と誰かに聞かれて、驚いたことがある。
 「イタリアン」とは、学校給食のソフト麺をミートソースでクタクタに炒め煮したようなものだけど、子どもの頃に何度かテイクアウトしたくらいなので、県外で「長岡のB級グルメ」として紹介されているとは知らなんだ。
 地方出身の方は、物産展とかで「へ~これが『新潟の郷土料理』なんだー…初めて知った」的なものを見かけることってありませんか?
「長岡のB級グルメ『イタリアン』」もそういうポジションかもしれない。

 B級グルメといえるか微妙だけど、長岡の喫茶店では夏になると「冷麺」がメニューに登場する。上京するまで冷麺が長岡のローカル喫茶文化(?)とは知らなかったし、かといって食べなきゃ夏が終わらないという程のものでもない。まあ、すくなくともイタリアンよりは記事に値するとは思うので、「取材」に行ってきました。

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 ガイドブックでは「○松」の冷麺が紹介されていることが多いけど、私は長岡喫茶文化の王道・某店をオススメ。生きた長岡弁が飛び交う(笑)同店こそ長岡らしいという理由で。

 写真は「ツナ冷麺」(850円)とアイスコーヒー。(写真奥の小さいグラスに入っているのは麺つゆです)
 このお店では他に「貝柱冷麺」、「サラダ冷麺」、「肉味噌冷麺」があるけど、お店の人によると
「肉味噌は今シーズンじゃないのでありません」
とのことだった。冷麺自体が夏季限定のメニューなのに、じゃあいつ出すんだと突っ込みたくなるが、そこは大人の笑顔でスルー。世の中には真実の追究より大切なことがあるということを知ったのも大人になってからだ。

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 基本的には「サラダ冷麺」をベースに、トッピングがツナか貝柱か肉味噌(笑)になるだけなのだけど、サラダのシャリシャリ感とあっさりめの冷麺は胃にスルスル入って食べごたえがある。長岡は盆地だから、夏は蒸し暑さがこたえる土地。おそらくカレーやスパゲッティ、グラタンじゃ夏バテ気味の胃にもたれるからということで、誰かが考案したのかも…。
 二つ隣のパーテーションの向こうで、旧制長岡中学のOBとおぼしき年配男性のグループが話し込んでいる声を聞きながら、新幹線の座席のようなソファにお尻を沈めて冷麺を食す。
 嗚呼、長岡の夏。