真菰刈る

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 知人(中国人)から中国野菜のお裾分けをいただきました。
表皮を剥いて薄切りにして、紹興酒に漬けた豚肉と炒めると美味だそう。

 包みを見たら「マコモダケ」とあるのでググってみたら、古来より数多く詠まれた「真菰刈る」の和歌に登場するイネ科の植物でした。

葉集・巻十一
真菰刈る大野川原の水隠りに恋ひ来し妹が紐解く我れは

真菰刈る淀の澤水雨ふればつねよりことにまさるわが恋

みな底にしかれにけりなさみだれて水の眞菰をかりにきたれば

真菰伏すかぜにまじりてはしきやし香取の宮の大神はある

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マコモの若葉を刈り取っているところ

 東アジアや東南アジアに分布しており、日本では全国で見られるイネ科の多年草で、黒穂菌に寄生されて肥大した新芽はマコモダケと呼ばれる食材で、古くは万葉集に登場しています。
中国では「交白jiaobai」、台湾では「茭白」と呼ばれ、台湾中部では色白美人の足に見立てた「美人腿」の愛称で出荷されているそうです。
 また、若葉にはビタミンA、βカロチンビタミンCが豊富にふくまれているそうです。 

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 いただいた日は忙しかったので、翌日に調理してみたら、内側に黒い胞子がついています。ギリギリセーフ(真っ黒になると美味しくなくなる)。
 この黒い胞子は「マコモズミ」と呼ばれ、お歯黒・眉墨・漆器の顔料に用いられたそうです。う~ん勉強になるなあ。

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 紹興酒に漬けた豚肉とシメジと一緒に炒めて、塩・胡椒・オイスターソース・紹興酒を加えます。
 仕上げにごま油をたらっとかけると香ばしい味わいに。
 
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 これでマコモダケ2本分。ほくほくした食感で、ほんのり甘くて美味しい♪残った1本はベーコンと一緒に洋風炒めに。
 中国の家庭料理は作り方がシンプルでやさしい味わいのなので、中国人と仲良くなったら教わってメモしています。交白とマコモダケの話題で日中友好です。食は国境を超える?!
 これからの季節、我が家では晩酌に紹興酒(ぬる燗)も登場。ほんのり甘いので氷砂糖はいらないですよ。楽しみ~♪