退院後診察

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昭和レトロな病室。枕元の酸素ボンベは術後に使用。

術後4週間目、退院後初めての診察を受けてきた。

この日に病理検査の結果がわかるので、診察日の3日くらい前からあえて仕事をどんどん入れて(職場復帰済み)不安を紛らわせていた。

卵巣は腹腔の奥にあるため、手術をしない限り、腫瘍の良性悪性の確定はできない。

9割近くは良性だけど、私の場合はリスク回避のため開腹手術に変更した経緯があったので、実は結構不安だった。

 

大学病院なんてどこも待ち時間が長いものだけど、この日は特に長く、予約時間から待つこと1時間半!

 

ようやく順番が回ってきて、診察室の椅子に座るやいなや「良性でした。」と告げられた。

脳内メーカー』じゃないけど、いま私の頭の中は「良性」の文字で一杯なはず!

主治医の先生は冷静かつ丁寧に説明してくれて、「写真、見ますか?」と、私のお腹と脳内を占拠していた嚢腫の写真を見せてくれた。

思っていたほどグロい写真ではなく、嚢腫はちょうど握りこぶしくらいの大きさ。

こんな奴がお腹に居座っていたのに、自覚症状がなかったのか……。

 

診察後、「創もきれいに塞がっているので、これで治療終了です。あとは年一回、自治体か人間ドックで検診を受けてください」ということで、あっさり卒業となった。

 

売店で創保護テープを買っている間、院内放送で入院病棟への面会禁止をアナウンスしていたけれど、私の入院時よりさらに厳しい内容になっていた。

都内では、数日前に他の大学病院で入院病棟の看護師の感染が発表されたばかりだ。

 

地元のクリニックで卵巣嚢腫が見つかったのが1月末。

2月に大学病院を受診してから約5か月で治療終了だから、コロナ禍という状況を考えるとスピーディーな展開だったと思う。

もしかしたら、病院の受入れ体制が落ち着いたタイミングに運よく乗れたのかもしれない。

 

卵巣は肝臓と並んで「沈黙の臓器」と呼ばれており、良性悪性を問わず腫瘍がそれなりに進行するまで自覚症状がないといわれている。

私もたまたま仕事の合間にクリニック受診するまで、約7㎝大の腫瘍に全く気づかなかった。

もしこれが境界悪性や悪性だったら……と思うと本当にゾッとする。

 

ちょっとしたタイミングや巡り合わせが明暗を分けることを実感したけれど、「天の声」のような分岐に少しでも気づけるようになるにはどうしたらいいのだろう。

健康問題については、健診を申し込む前にオプションの内容もチェックしておくとか、近隣で相談しやすいかかりつけ医を見つけておくくらいしか思い浮かばないのだけど…。