ピンクの気分

 

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(危険な男」の続編はしばしお待ちを……) 

 

お直しに出していたパンツが仕上がったので、仕事の後に都心のデパートへ。帰りにせっかく近くまで来たのだからと近くの某大型書店に立ち寄ったのが運の尽きで、例によって今回も空手で出られずブックカバーまで買ってしまった。 

 

少し前からリブロなどの書店で見かけるようになったBIBLIOPHILICというブランドのもので、他にはブックマーカーや上質の紙を使ったノートなど、「本に関連したグッズ」を出しているらしい。
特にブックカバーには力を入れていて、リバティプリントの生地や国産の本革など、本を手にすること自体が愉しみになるような、ちょっと贅沢な素材を使っている。
そういえば大川美術館で長期展示されていた松本竣介のアトリエにも、竣介自作の革のブックカバーがあった。カタログの解説によると、竣介はお気に入りの本には紙でカバーをつけて表紙・背表紙にタイトルを手書きし、中身に書き込みをせずにノートに書き写すなど、蔵書を丁寧に扱っていたそうで、竣介のブックフェチぶりに親近感を覚えた。 

 

私の好きな素材は、発色が美しく、手にやわらかく吸いついてくるような本革のスウェード
ブルーやブラウンの色合いも好みで全部欲しいくらいだけど、今回は迷わずローズピンクで文庫サイズと新書サイズの2点を買った。今回は、というくらいだから今後少しずつ買い足していくつもりで、ジャンルやその時の気分で色を選べたらいいなあと思っている。それ以上に、部屋のあちこちに本を積んでいるようなずぼらな生活をしていると、読書中の本が紛れてしまうこともよくあるので、目印としての役割もあるのだ。

 

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記念すべき最初の本は、最近話題の大河ドラマにちなんで(笑)辻邦生の『安土往還記』。辻邦生kindleで読むのには向いていない。やっぱり紙の本でないと気分が乗らない。


ローズピンクのカバーは小説用に使いたいなあ。辻邦生の次は『ダロウェイ夫人』か『ドリアン・グレイの肖像』、それとも『嵐が丘』にしようかなあ。

 

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見返しの部分には黒猫のロゴが!漱石が飼っていた黒猫、ポーの黒猫にちなんだのかしらん。私は柴系雑種犬入りコタツで本を読みたいけれど。 

 

ピンクは元気を与えてくれる色だと思う。普段の私はブルーが好きだけど、たまにピンクがほしくなって、ロンドンのトッテナム・コートにあるPaper Fictionという紙モノのお店に行ったときにパウダーピンクのペンとノートを買って夫に驚かれたことがある。たぶん、なにかパワーが欲しい気分なのかも。
ちなみに、ブックカバーを買う前にデパートで受け取ったパンツの色もグレーがかったピンクだった。身に着けるピンクは甘さ控えめな色調が使いやすい。ピンクは意外と組み合せの幅が広い色で、ブラック、ネイビー、グレー、ダークブラウン、サンドベージュによく合う。地味になりがちな通勤服を明るくしてくれるのである。グレーがかったピンクはなかなか見かけない色で、大阪の梅田店に一点だけ残っていた在庫を取り寄せてもらった。下の画像のようなジェンダーレスなコーディネートが私の好みだ。この秋はチャコールグレーのジャージー素材のロングジャケットを買ったので、パズルのピースを集めるように、来年以降も組み合せるアイテムを少しずつ買い足していきたい。

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来年の秋は、ジャケットの下に塩田千春デザインのTシャツを着て、スニーカー履いて美術館に出かけたい。